「関越トンネル」の「立入禁止区域」に潜入したらすごかった 巨大ダクトに「東京タワー級」高層塔!? 参加者も「超濃厚」と興奮
デカい!喚起施設とデカい!換気塔で濃厚な時間
ツアーの一行は、やがて換気所へと到着します。内部の見どころは、なんといっても換気のためのファンです。
トンネル内の汚い空気を排出するための「排風機」、地上からきれいな空気を送り込む「送風機」が、それぞれ2本ずつ、上下線用に装備。合計8本のファンが用意されています。上から見下ろすと、巨大な送排風機の鋼管が8基並ぶ圧巻の光景です。巨大なファンを動かすための機械室も、映画に出てくるちょっとした組織の秘密基地のような規模でした。
これらは常時フル稼働しているわけではありません。昭和中期の排ガス規制以降、クルマの排気ガス自体がどんどんきれいになっているので、所定のトンネル空気環境をクリアするのに必要なファン稼働性能も低減しているからです。
ファンは年間1基ペースで大規模修繕されていて、換気所内のドックでも、修繕で羽を全てもがれたファン本体の姿がありました。
さて、ファン室から二重ドアを抜けると、いよいよ換気ダクトに入ります。さっき見下ろしたファンの中身が目の前に見えます。ファンの羽と外壁との隙間はわずか3ミリで、効率よく空気を送ることができる仕組みです。
換気ダクトの長さは約650m。ランプが並べられ、高天井でヨットの帆のような変則断面の幻想的な洞窟を、延々と歩き続けます。
洞窟は唐突に行き止まりになり、そこが換気塔です。空気口はそこから真上にのぼり、谷川山系の地上までつながっています。
その換気塔をのぼれば地上まで到達できます。これが今回のツアーのハイライトですが、高さは180m、階段は600段。数字だけではピンと来ませんが、なんと東京タワーの階段と同じだけの急登が待ち構えています。
20分以上かけ、気力をふり絞って登りきると、目の前には谷川山系の山肌が広がります。ゴツゴツしたガレ場が荒々しく、それでいて薄い樹木が少しずつ色づき始めています。みるみる間に稜線は濃厚な雲に飲み込まれ、厳しい山の気候を感じさせます。
見上げると、今登って来た換気塔が、さらに40mほど天へそびえています。天頂へは登る手段が無く、点検はドローンで行い、修繕はその都度足場を組む必要があるといいます。
最後は群馬県側入口へ出ました。関越トンネルを象徴する、青タイル状のフチが広がり、内側へすぼまるような独特のデザインの新潟方面入口を間近で眺められます。設計したのはデザイナーの柳宗理で、ラッパ状の形状はトンネル進入時の空気抵抗を緩和する効果があるといいます。
美しい青フチのトンネル坑口は、ドライブ中に一瞬通り過ぎる時より、近づいてじっくりと見ることで、一層美しさを増して感じられました。
参加者のひとりは「建設中の高速道路など、土木の現場を見学するのが好きです」と話します。今回の関越トンネルは初めてで、一度訪れてみたかった憧れの場所だったとか。「ちょっと見学して、ちょっと歩いて帰るものだと思っていたら、想像以上のボリュームがある濃厚なツアーだったので、驚きました。他の現場もそうですが、土木構造物のスケールの大きさには、毎度圧倒されます」と話していました。
屋根が落ちた笹子トンネルより昔に貫通してたと記憶するがスゴイね
おまけに未だタンクローリーを通していない
歴史的な黒部ダムはびくともしてないし
昔の安全第一は名実ともに徹底してたんだ!