トヨタのミニバンの中で最小サイズの「シエンタ」は高い人気を誇りますが、どのようにしてユーザーは手に入れているのでしょうか。
　
　最近定番となっている「残価設定ローン」で契約する場合、月々の支払額はいくらになるのでしょうか。

　シエンタの現行モデルは2022年8月に登場した3代目です。

　3代目は初代より受け継ぐコンセプトである「コンパクトカーの運転のしやすさ」と「ミニバンの利便性」を深化しています。

　ボディサイズは全長4260mm×全幅1695mm×全高1695mm。

　小型車枠に収まる5ナンバーサイズはそのままに、くつろげる室内空間を実現するべく、室内高は10mm延長。1列目シートと2列目シートの間隔も広がり、居住性はさらに向上しています。

　最新の安全・安心装備であるトヨタセーフティセンスが標準装備され安心感を高めています。

　また販売店オプションも充実しており、使い方に応じた幅広いアレンジも可能です。

　グレードはエントリーモデルの「X」、中級モデルの「G」、最上位モデルの「Z」を設定。

　それぞれに7人乗りと5人乗りの2種、およびハイブリッドとガソリンの2種類のパワートレインが用意されています。

　駆動方式は基本的に2WDですが、ハイブリッド車は4WDも選択可能です。

　価格はXが200万円から263万円、Gが234万円から293万円、Zが265万円から323万円となります。

　コンパクトサイズだけあってトヨタの他のミニバンと比較すると、かなりリーズナブルな価格設定です。

　とは言え現金一括での購入は現実的ではなく、多くの場合ローンを組むことになるでしょう。

　一般的なローンもありますが、トヨタの販売店によると、シエンタもほかの車種同様に残価設定ローンを利用できるようです。

　残価設定ローンとは、数年間の契約期間後の買取額（残価）を販売店が補償する仕組みです。

　つまりユーザーが期間中に支払うのは、車両価格からその買取保証額を差し引いた金額と金利になります。

　クルマの所有者はディーラーという扱いで、契約期間後は返却、新車への乗り換え、残価を支払ってそのまま購入のいずれかとなります。

　返却を想定して走行距離や車両の状態には制限があり、金利相場も約3％〜5％と通常のローンに比べてやや高い設定です。

　ただ月々の支払額を通常のローンよりも抑えられるため、近年ではこれらのデメリットを踏まえてでも残価設定ローンを利用するユーザーも増えているようです。

　車両価格中で占める残価率は、リセールバリューの高さを表す指標でもあります。

　一般的な国産車は、3年契約で50%程度、5年契約で35%程度が平均的なレベルです。

　関東圏のとあるトヨタの販売店では、シエンタの残価率は3年で45%、5年で32%に設定されているようです。

　これは平均と比較してわずかに低い程度で、「平均的なリセールバリューのクルマ」と言えます。

　同店の担当者によると、人気グレードは最上級のZのうち、7人乗りで2WDのハイブリッド車のようです。

　車両価格が303万6000円のこのグレードを例に、金利4.9%、頭金やボーナス追加支払いはなしという前提で前出の残価率を適用して計算してみましょう。

　すると3年契約での月々の支払額の総額は、本体価格の55％である約167万円に金利を加えて約200万円、それを36回払いするため月々の支払額は約5万7000円となります。

　5年契約の場合は、月々の支払額の総額は本体価格の68％である約206万円に金利を加えて約257万円、それを60回払いするため月々の支払額は約4万3000円です。

　実際の契約の際にはこの金額に加えて、オプション費用や各種税金・保険料、販売諸経費などが必要となります。

　さらに契約後を考慮して駐車場代や任意保険料、ガソリン代などの維持費を加えるとさらに月々数万円を払わなければいけないでしょう。

　ただ、通常ローンで一般的な5年契約の場合は、本体価格に毎年の金利を加えて、それを60回払いするため、月々の支払額は約5万7000円となります。

　つまり残価設定ローンならば短い契約期間であっても、より長期間で契約する通常ローンとほぼ同額の月々の支払額で済ませることができるのです。