ホンダ「斬新“コンパクトカー”」登場!? 旧車風「丸目2灯×カクカクボディ」採用で「シティ復活」!? 市販化期待の「サステナC」とは

ホンダが昨年2023年開催の第1回「ジャパンモビリティショー2023」で世界初公開した「SUSTAINA-C Concept」を振り返ります。

現代に甦った初代シティ!

 2023年10月開催に開催された「ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)」ホンダブースにおいて、3ドアハッチタイプの電気自動車である「SUSTAINA-C Concept(以下、サステナC)」が世界初公開されました。
 
 赤いボディカラー、ボクシーなフォルム、愛らしい丸目のヘッドライト。それはまるで、イギリスのバンド「マッドネス」による「ホンダ ホンダ ホンダ ホンダ シティ!」の掛け声が懐かしい、当時のCMを思い出す初代「シティ」のようなたたずまいだったのです。

「シティ」の再来を示唆
「シティ」の再来を示唆

 サステナCは、単に初代シティを電気自動車として現代によみがえらせたというわけではありません。

 サステナCのコンセプトとして、ホンダは「地球規模での環境対応の必要性が高まる中で、何かを我慢しながら環境対応するのではなく、皆がやりたいこと、自由な移動を楽しみながら環境への配慮もしっかり出来る世の中を実現したい。

 そんなEGO(エゴ・やりたいこと)とECO(環境対応)の両立を目指したモデル」とコメントしています。

 サステナCのボディパネルには、地球環境の保護と将来にわたって自由な移動の喜びを両立するべく、資源の循環利用(リソースサーキュレーション)の一環として、回収した使用済みアクリル樹脂を再利用した素材が用いられています。

 アクリル樹脂はこれまで、衝撃が加わると割れやすいといった欠点や、分別回収やリサイクルの技術的な難しさから用途が限られていました。

 しかし、三菱ケミカル社と共同開発の結果、使用済みの製品から回収したアクリル材料を高度なリサイクル技術で新品素材と同等の性能・品質をもつリサイクル材とすることに成功しました。

 その技術を活かし、サステナCのボディパネルには、世界で初となるアクリル素材が採用されたのです。

 さらに、同一種類の製品を製造する水平リサイクル技術の確立と、耐衝撃性と成型性を両立したアクリル樹脂材料を新たに開発するなど、技術の確立および革新は現在も研究によって開発が続けられています。

 そしてサステナCには、アクリル樹脂の優れた平滑性と発色性の高さといった特性を利用し、彩度の高いボディカラーの採用や、透過性のある蛍光アクリル材を効果的にレイアウトすることで、素材の持ち味を活かす取り組みがなされています。

 ちなみにテールゲートは、アクリル樹脂の特徴である透明性を活かしつつ、スマートフォンの画面のように「1枚もののパネル」として成型されています。

 しかも、ゲートの裏側からテールランプを透過させる「スクリーンテールゲート」方式を採用しており、ランプとしての機能だけでなく、映像表現や文字などのメッセージを表示させることが可能です。

 このスクリーンテールゲートは、駐車中の充電状態を表示や、周囲のクルマとコミュニケーションの可能性を秘めているともいえます。

 例えば現代の「サンキューハザード」が、スクリーンテールゲートのディスプレイ機能を活かすことで「道を譲ってくれてありがとう!」と後続車とそのドライバーに感謝の気持ちを伝えることも可能になります。

 もちろん、保安基準などの絡みがありますが、この機能をうまく活用すれば、あおり運転の削減にひと役買ってくれるかもしれません。

 サステナCにはユーザーがイメージするホンダらしさが随所に感じられます。

 しかし、可能性を模索するコンセプトモデルであるがゆえ、このまま市販される可能性は低いといえそうです。

 意欲作ともいえるサステナCがさらにブラッシュアップされ、市販されることを願うばかりです。

 そしてその際、初代シティのCMのリメイク版が作られることにも期待しましょう。

【画像】超カッコイイ! これがホンダの「斬新コンパクト」です!(74枚)

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Writer: 松村透

株式会社キズナノート代表取締役。エディター/ライター/ディレクター/プランナー。
輸入車の取扱説明書制作を経て、2006年にベストモータリング/ホットバージョン公式サイトリニューアルを担当後、2013年に独立。フリーランスを経て株式会社キズナノートを設立。現在に至る。
2016年3月〜トヨタ GAZOO愛車広場連載中。ベストカー/ベストカーWeb/WebCARTOP他、外車王SOKEN/旧車王ヒストリア編集長を兼務する。

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