ホンダが「超スゴいCR-V」を初公開! 専用“ワイドボディ”×ブラック顔の「魔改造仕様」に驚愕! 「Honda 0シリーズ」の開発車両が示すものとは

「CR-V」ベースの“魔改造”車 そのデキに驚愕…

 今回の試乗車は2台ですが、いずれもゼロシリーズそのものではなく、見た目は「アコード」と「CR-V」。一方でパワートレイン/シャシーをはじめとする機能部分は、全てゼロシリーズという“魔改造”開発車両でした。

 筆者(山本シンヤ)はCR-Vベースの開発車両に試乗できました。風の噂(?)では、アコードベースの開発車両よりもこのモデルのほうが完成度は高めのようです。

ホンダの次世代EV「Honda 0(ゼロ)シリーズ」開発車両(CR-Vベース)
ホンダの次世代EV「Honda 0(ゼロ)シリーズ」開発車両(CR-Vベース)

 エクステリアはライトやグリルをブラック化、前後バンパーは下部をカバーで覆われており、大幅な車高ダウンに加えて大径タイヤ(245/50R20サイズのミシュラン「eプライマシー」)に合わせてオーバーフェンダーを装着。

 ノーマルのCR-Vに対して「ワイド&ロー」なスタイルに仕上がっています。フロントフェンダー左右には充電口も追加されています。

 インテリアはメーターが薄型のデジタルメーター、シフトレバー(Pはボタン、D/Rは引いてダウン/アップ)はワイパースイッチの位置に変更されていますが、それ以外はほぼCR-Vのままの状態です。

 パワートレインはモーター駆動の応答の高さは言わずもがなですが、一般的なバッテリーEVのような「アクセル踏んだらモリモリトルク」ではなく、アクセル開度に合わせて精緻にトルクコントロールが行なわれている印象です。

 そのため、わかりやすい力強さはないものの、その加速力が高い車速域まで衰えずに続く「伸びの良さ」が印象的でした。

 例えるならば、トルクバンドが広く、超洗練された内燃機関のようなイメージでしょうか。

 フットワークは統合制御でコントロールされているため、試乗前は「人間の感覚とズレがあるかな」と心配したものの、それは単なる取り越し苦労でした。その印象はズバリ「The Natural」です。

 もう少し具体的に言うと、カチッとしているのにしなやかさを感じる車体、穏やかなのに阿吽の呼吸で反応するステアリング系、ステアリングの切り始めた瞬間からノーズが自然かつ素直にインを向く回頭性の高さ、軽快なのに安定した挙動、低重心かつ重量配分の良さを実感する滑らかな旋回、グリップを実感できるトラクションと、コーナリングの一連の流れが超自然/超シームレスに行なわれています。

 要するに、わかりやすい走りの良さではなく本質的な走りの良さ。「究極の“普通”のハンドリング」と言うわけです。

 これらは基本素性+統合制御のタッグによるモノですが、機械に制御されている感じは皆無で、むしろ背中をそっと押してくれるような、自然でさり気ない介入なので、多くの人は気にならないはず。

 つまり、いつでも、どこでも、誰でも、理想の姿勢で「意のままの走り」が可能なのです。

 筆者はこれまで、ホンダの制御を用いたフットワークに疑問を持っていましたが、今回試乗して「デジタルのフル活用で、究極のアナログを目指す」という事だと理解しました。

 実は試乗中にどことなく「新しいのに懐かしい」といった印象を受けたのですが、それは気のせいではなかったようです。

 今回の試乗車には搭載されていませんでしたが、開発アプローチの「Wise(賢い)」の部分では、独自のビークルOS搭載とコネクテッド技術により、クルマその物が賢くなる「SDVの実現」についても言及されました。

 その重点項目は、先に記した「操る喜び」に加えて、「自動運転/先進運転支援システム」、「エネルギーマネージメント」、「デジタルUX」の4点ですが、こちらも気になるところです。

 今回の試乗では、ゼロシリーズはハード&ソフト共にゼロから作り上げられていますが、その内容は決して飛び道具ではなく、これまでの積み重ねから生まれたアイデアが多いように感じました。

「ゼロからスタート」ではなく、「プロローグからのゼロ」。つまり、歴史はシッカリと繋がっていると思わせられたのです。

 試乗後、開発メンバーに「ゼロシリーズは次世代のホンダの象徴となるモデルになりますが、『次世代のホンダらしさ』はどこにあるとお考えですか」と質問をしてみたところ、このように答えてくれました。

「第2の創業期と言っていますが、開発に関わるメンバー全員がスタートアップのようなマインドで挑戦を行ったことで、イノベーションが生まれ突き抜けられたと自負しています。そう考えると、次世代ホンダらしさとは『総力の塊』だと思っています」

 正直に言ってしまうと、これまでホンダがゼロシリーズで何がしたいのかが良くわかりませんでしたが、実際に技術を見て、聞いて、体感した事で、次世代ホンダの「想い」と「本気」が理解できたような気がしています。

 ちなみに今回公開された技術を具体化させた姿として、ゼロシリーズの新たなモデルを2025年1月にアメリカ・ラスベガスで行われる「CES2025」で公開予定です。今まで以上に楽しみになってきました。

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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