三菱「新型パジェロS」登場!? タフデザインの新型「“7人乗り”SUV」を世界初公開へ! 謎の「新モデル」は何を示すのか

2024年10月1日、三菱のフィリピン法人は、第9回フィリピン国際モーターショー2024にて新たな“7人乗りSUV”のコンセプトカーを世界初公開すると発表し、その一部を初公開しました。このコンセプトカーは何に繋がるモデルとなるのでしょうか、考察します。

新型「パジェロS」登場か?

 三菱のフィリピン法人は、2024年10月24日からフィリピンで開催される『第9回フィリピン国際モーターショー2024』にて「新たな“7人乗りSUV”のコンセプトカーを世界初公開する」と発表。そのクルマのヘッドライト周辺やリヤクォーター付近をアップで撮影したイメージ写真も公開しました。 

 新たな“7人乗りSUV”とは果たしてどんなSUVなのでしょうか。 

 まもなく公開の「新型SUV」どんなモデルになるのか
まもなく公開の「新型SUV」どんなモデルになるのか

 ひとつだけいえるのは、昨今の三菱自動車の新型車公開までの流れを考えると、このコンセプトカーが市販車へつながる可能性が高いということです。

 では、どの車種へとつながるコンセプトカーなのか。もっとも興味深いのはそこですが、現時点ではそれに関して三菱からの公式な情報がありません。

 7人乗りSUVということから「『パジェロ』につながるコンセプトカーではないか?」という予測もあります。同車は1982年に初代モデルが登場し、三菱自動車のイメージリーダーとなっていたモデル。3列シートモデルもあったので「7人乗りSUV」といえば確かに当てはまります。

 しかし、パジェロは4世代目まで登場したものの、2021年夏に生産を終了。根強い復活待望論がありますが、今のところは次期モデルが登場するという正式な情報はありません。

 実は、三菱自動車には生産を終えているパジェロと違って“現役”の7人乗りSUVがあります。そして筆者は今回ベールを脱ぐコンセプトカーは“そのモデルの新型を示唆するモデル”の可能性が高いと考えます。

 それは、「パジェロスポーツ」です。

 パジェロスポーツとは、ピックアップトラックの「トライトン」と多くのメカニズムを共用するフレーム構造のSUV。日本では販売されていませんが、東南アジアをはじめとする各地域へ導入されている現役モデルです。

 かつて日本で販売していた他社のモデルでいえば、トヨタ「ハイラックス」に対する「ハイラックスサーフ」や日産「ダットサントラック」に対する「テラノ」のようなポジションと考えればイメージしやすいでしょう。

 ちなみに現在はトヨタがハイラックスベースのSUV「フォーチュナー」、日産はダットサントラックの後継車種「ナバラ」をベースとした「テラ」というモデルをフレーム付SUVとして用意しています。

 現在販売されているパジェロスポーツは2015年デビューで、先代トライトンのラダーフレームをベースに作られたモデル。しかしメカニズムの基本設計を共用するトライトンは2023 年夏にフルモデルチェンジし、比べると現在販売しているパジェロスポーツは「旧世代」のメカニズムとなっているのです。

 過去の進化を見ると、トライトンがフルモデルチェンジすると、遅れてトライトンの新型が登場するのがこれまでの状況。すなわち、トライトンが新型になった今、パジェロスポーツもフルモデルチェンジが近づいているということなのです。

 以上の状況を踏まえると、このコンセプトカーは、そんなパジェロスポーツの新型を示唆するコンセプトカーと考えるのが自然ではないでしょうか。

※ ※ ※

 昨年秋、しばらく途絶えていたトライトンの日本導入が再び始まりました。実はパジェロスポーツは、かつて初代モデルが「チャレンジャー」という名称で日本でも販売されていました。

 メカニズムを共用するトライトンの日本販売が復活したこと、そして昨今のSUV人気を考えると新型のパジェロスポーツが日本へ導入される可能性も低くないでしょう。

 本家のパジェロではないものの、フレーム構造を持つ悪路走破性の高いSUVの新型が日本でも購入できるようになれば喜ぶファンも多いに違いありません。

 心配なのは、生産拠点となるタイの通貨であるバーツが高いこと。必然的に日本での販売価格が高くなってしまうからです。日本導入に際してはそこが最大のハードルとなると思われます。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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