なぜ「軽」にSUV風増えた? スズキ・ダイハツ、三菱が先行も… ホンダも新投入で激戦区に!? ユーザーニーズの変化とは
2024年9月20日にスズキ新型「スペーシアギア」、27日にホンダ新型「N-BOX JOY」、10月3日スバル「シフォントライ」など相次いで登場する通称「軽SUV」。その名の通りSUVのようなタフな見た目が特徴です。この手のモデルはスズキやダイハツ、三菱から先行して登場していましたが、なぜ最近「SUV風」が流行っているのでしょうか。
なぜ背の高い「スーパーハイトワゴン」に軽SUVが増えたのか
ここ数年、軽自動車市場ではSUVのテイストを盛り込んだモデルが相次いで投入されています。
特に背の高い「スーパーハイトワゴン」に設定されるSUVルックなモデルですが、どのような背景で誕生したのでしょうか。
庶民の下駄としての役割が大きい軽自動車。その歴史の始まりは1949年で、戦後の経済成長の一助となることを目指してスタート。
しかし、当時のモータリゼーションの主力はオート三輪やオートバイで、当初は軽自動車の製造を手掛けるメーカーは少なかったですが、乗用系は1955年に「スズキ スズライト」、1958年に「スバル 360」、商用系は1957年に「ダイハツ ミゼット」の登場以降、参入メーカーが増えていきました。
そんな軽自動車は登録車とは異なる独自の進化を遂げていきます。ただ、時代ごとに求められる要素が大きく変化し、人気車種も様々でした。
例えば、1980年代後半から1990年に向けたバブルの時期には、経済性や価格よりパワーや速さ、優れた装備やデザインが重視された事もありました。
現在はどうでしょうか。
1993年に登場ししたワゴンRが切り開いたハイト系の進化版とも言える「スーパーハイトワゴン」に人気が集つまっています。
軽自動車規格に収まる寸法の範囲で、最大限に空間を活かした広々とした車内や収納スペースの多さが魅力ですが、このスーパーハイト系に新たなジャンルが追加され話題となっています。
それは「SUVルックのスーパーハイト系」です。
その元祖は2018年に追加された「スペーシア・ギア」。今や世界的に人気の「SUV」と日本で人気の「スーパーハイト系」のクロスオーバーと言っていいモデルですが、軽自動車の世界で新たなジャンルを開拓するスズキらしい提案でした。
この成功に他メーカーも追従し、三菱は「eKクロススペース」から「デリカミニ」へと発展。ダイハツは「タントファンクロス」を投入し、スバルもそのOEMとなる「シフォントライ」を発売しました。
そして軽ハイト系の王者に君臨するホンダN-BOXも「N-BOX JOY」をラインアップしています。
その内容は内外装をSUVルックに仕立てることで、よりアクティブ、よりアウトドア、より出かけたくなる雰囲気に仕立てられています。
走りの部分は普通のスーパーハイト系と変わりません。
FFに加えて4WDも用意されていますが、悪路をガンガン走るためではなく、あくまでも積雪地域需要に合わせて設定と言うイメージです。
なおデリカミニの4WDは専用サス+大径タイヤで最低地上高アップされ、オフロード性能を考慮しています。
要するにSUVの“雰囲気”を楽しめるモデルと言うわけです。
この辺りは昭和時代に流行った「陸(おか)サーファー」とよく似ていますが、そもそもSUVの意味は「「スポーツ/レジャーに適した利便性を備えたクルマ」と定義は曖昧なので、それほど目くじらを立てなくてもいいのかなと。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。