トヨタの「日本一売れてるミニバン」なぜ人気? 「ちょうど良い」サイズ×アンダー200万円スタートがスゴい! ホンダ「強ライバル」登場も「シエンタ」好調の理由は

2024年6月、ホンダの大人気コンパクトミニバン「フリード」が8年ぶりのフルモデルチェンジを果たして登場しましたが、同じジャンルのライバルであるトヨタ「シエンタ」の売れ行きも相変わらず好調のようです。

最大のライバル「フリード」登場もいまだ人気な「シエンタ」

 トヨタ「シエンタ」はコンパクトカー並みの5ナンバーボディに両側スライドドアを備えた、3列シート7人乗りのコンパクトミニバンとして、2003年9月に登場しました。
 
 一方、ホンダからは「フリード」が2008年に登場。同様のサイズ感やスライドドアを持つミニバンとして、市場を牽引。2024年6月には新型が登場し、すぐに多数の受注を獲得し好調です。
 
 そんななか、シエンタは現在も衰えを知りません。人気の理由はどこにあるのでしょうか。

トヨタ「シエンタ」改良モデル
トヨタ「シエンタ」改良モデル

 シエンタは現行型が3代目。2022年8月にフルモデルチェンジし、スニーカーをモチーフにした先代のやや奇抜なデザインから、ヨーロッパ車のような調和のとれたモダンデザインに改められました。

 ボディサイズは全長4260mm×全幅1695mm×全高1695mm。小型車枠に収まる5ナンバーサイズをキープしたまま、全高は先代よりも20mmアップ、床面も引き下げられたことで室内空間が拡大。スライドドアの開口幅も広がり、乗降性も向上しています。

 インテリアでは、2列目シートの居住性を高めたことに加え、3列目の居住空間もわずかに拡大。

 3列目シートの格納方法は、先代から引き続いて2列目シートの下にすっぽり収まる構造により、7人乗りモデルでも荷室を圧迫しないように配慮されています。

 それに加え、新型TNGAプラットフォームの採用によってボディ剛性や走行性能が飛躍的に向上。

 さらに先進運転支援システム「トヨタ セーフティ センス」を全車に標準装備したうえに、ハンドルやブレーキの操作を先読みアシストする「プロアクティブドライビングアシスト」、駐車支援機能「アドバンストパーク」を搭載しています。

 直近では、2024年5月に改良が行われ、コネクティッドナビ対応10.5インチディスプレイオーディオやパノラミックビューモニターなど人気のメーカーオプションが、グレードに応じて標準化されました。

 そのほか、スマートフォンを車両のキーとして使用できるデジタルキーと外部給電アタッチメントがオプションとして追加され、日常でのさらなる使い勝手はもちろん、アウトドアシーンや非常時の使い勝手も高められています。

 そんななか、6月には新型フリードが発売。最大のライバルが大幅に刷新を迎えましたが、今のところシエンタ人気が衰えた様子はないようです。

 2024年の上半期(1月~6月)には、ミニバンとしてはトップの5万5649台が登録されましたが、シエンタの実際の売れ行きなどはどうなのでしょうか。

 関東のトヨタ販売店担当者は、シエンタの現状や人気グレード、納期について次のように話します。

「ホンダさんの新型フリードの発売以降も、変わらずシエンタには多くの問い合わせを頂いております。

 以前と同じくファミリー層からの問い合わせが多く、『ミニバンでは大きすぎる』と感じるお客様が、コンパクトカーから家族が増えて乗り換えするといったケースが多く見受けられます。

 一番人気のグレードはハイブリッドモデル、ガソリンモデルともに最上位グレードである『Z』グレードです。

 5人乗りモデルと7人乗りモデルの販売台数に大きな差はないように思えますが、『いざというときに便利なので7人乗りを選んでおく』といったお客様も一定数いらっしゃいます。

 現在注文した場合の納車時期は、グレードやボディカラークルマによって具体的な時期は前後しますが、生産は2月となり同月下旬頃の納車になります」

 どうやら新型フリード発売の影響は、それほど大きくはない様子で、シエンタの根強い人気ぶりがうかがえます。

 では、同じジャンルに位置し、長年にわたってライバル関係を築いてきたシエンタとフリードはどのような違いがあって、なぜシエンタが支持されるのでしょうか。前出の担当者は続けてこのように話します。

「似たクルマ同士であるのは否定のしようがありません。しかしフリードとは、デザインやパワートレイン、3列目シートの広さや収納方法などクルマの部分的な構造ひとつひとつが異なります。

 シエンタは先代よりも3列目シートが広くなっていますし、2列目シートの下にすっきりと収められるようになっており、3列目シートを意識せずに使えると好評を頂いております。

 他社との具体的な比較は避けたいのですが、そのほかフリードとの決定的な違いを挙げるとすれば、燃費性能と価格でしょうか」

 シエンタは、新型フリードよりも燃費性能が優れており、車両本体価格(税込)199万5200円から323万4600円とフリードよりも安価であり、これが人気の秘訣のようです。

 対してフリードも、近年流行しているアウトドアテイストをより強めた「クロスター」の設定や、3列目シートを撤去して低床化し、テールゲートの開口部も拡大した5人乗りモデルも設定するなど、こちらも魅力的なパッケージを持ちます。

 フリードは発売からわずか1ヶ月で月販目標の約6倍となる3万8000台ほどを受注したことが発表されており、今後もコンパクトミニバン市場はこのシエンタとフリードの2トップが席巻することでしょう。

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2件のコメント

  1. ミニバンにしてはスマートさに欠け、200万からは少々値段が高すぎでは?ユーザーは何を欲しいのかもっと研究して欲しいと思います。日本のメーカーはもっと独自の車造りをして欲しい。他のメーカーがミニバンを発表したらおなじミニバンを発表して競争し合う。何時まで時代遅れの事をしているのかわかりません。一度中古車市場に見学に行くとわかります。この世にないクルマ造りをして欲しいです。

  2. シエンタに乗ってます。ほぼ毎日高速を走る仕事で、時には後部座席をベッドにして仮眠をとるので、自分だけが乗るなら燃費もよく室内空間も広めで気に入ってます。
    ただ、以前は高齢の両親の病院への送迎に乗り込みの高さがシエンタよりも、ルーミーよりも低いスペードに2台続けて乗っていました。
    スペードが生産中止にさえならなければ価格や乗り降りの高さも考えて、今もスペードを選んでいたと思います。

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