トヨタ新型「“和製”スーパーカー」がスゴイ! 4.3m級ボディ&斬新ハンドル採用! 美麗ボディが超カッコイイ「FT-Se」とは

来る2024年10月15日から18日まで「JAPAN MOBILITY SHOW Biz week 2024」が開催予定ですが、昨年に行われた「JAPAN MOBILITY SHOW 2023(ジャパン モビリティショー2023)」には、トヨタからスポーツタイプコンセプトカー「FT-Se」が出品されていました。どのようなモデルなのでしょうか。

トヨタのスポーツタイプコンセプトカー「FT-Se」って?

「クルマの未来を変えていこう-Find Your Future」というお題目の元、トヨタが2023年(東京ビッグサイト:10月26日〜11月5日)開催の「ジャパンモビリティショー2023」で世界初公開した、BEV(バッテリーEV)のスポーツタイプコンセプトカー「FT-Se」。

「TOYOTA GAZOO Racingが取り組む『モータースポーツを起点としたもっといいクルマづくり』の思想のもと、カーボンニュートラル時代におけるスポーツカーの選択肢として提案する、高性能BEVスポーツカー」というのが、トヨタのメッセージだ。

こんなクルマが欲しかった! トヨタ「FT-Se」
こんなクルマが欲しかった! トヨタ「FT-Se」

 そして、こうも続いている。「将来、モビリティは物理的な移動の道具としてだけではなく、ユーザー一人ひとりの価値観に寄り添う、生活のパートナーになっていく。BEVならではの高い操作レスポンスや心を揺さぶるデザインに加え、自分色に乗り味をカスタマイズできる嬉しさや、クルマの中にいながら、街の情報をストレスなく検索できる便利機能などによって、クルマは唯一無二の愛車として進化する」と。

 主要コンポーネントは、同時公開されたSUVタイプのコンセプトモデル「FT-3e」と共用されており、操縦安定性や空力性能を追求し、ソフトウェアアップデートによって、ドライバーと共に育っていくクルマだそうだ。

 仕様の詳細は正式公開されていないものの、全長4380mm×全幅1895mm×全高1220mmというサイズによるワイド&ローなプロポーションに加え、先進的な印象をもたらすワンフォームシルエットなデザインの採用によって、ボディの空気抵抗が相当低減されていることがうかがえる。駆動方式は前後独立モーターの4WDのようだ。

 直感的な操作を可能としたフルデジタル次世代コックピットの採用で、ドライバーが運転する際の、より一層の没入感を提供してくれている。

 インパネ上部は低く構えられ、高い視認性も確保されており、ホールド性の高いバケットシートや、走行時のG(重力加速度)から身体を保持するための新意匠のニーパッドが採用されている。スクエアな形状のステアリング周りのデザインも、極めて未来的に仕上がっている。

※ ※ ※

 日本の自動車メーカーがこぞってコンセプトカーを発表し始めたのは1980年代だった。当時はエレクトロニクス技術が急速に進展し、自動車にもこれらの技術が積極的に取り入れられ始めた。

 この時代にはエアロダイナミクスや新素材の研究も進み、未来的なデザインや機能を持つクルマが、メーカーの技術力とビジョンをアピールする手段として使われた。その結果、未来志向のデザインがコンセプトカーに反映されたのだ。

 自動車市場が世界規模で拡大し競争が激化し始めた当時、各メーカーは自社のブランドを強化するためにコンセプトカーを利用した。

 日本車メーカーもまた、欧米市場への進出を強化する中で、品質や技術力を強調しブランド認知度と信頼性を高めるためのコンセプトカー開発を積極的に行った。

 当時の日本は、バブルの影響もあってリスクを伴う先進的なプロジェクトに投資する余裕があった。つまりメーカーはチャレンジを恐れない体力があったのだ。その後バブルは弾け、日本経済は失われた30年に突入することになる。

 もちろん、このFT-Seがコンセプトモデルのまま市販車として世の中に出てくる保証はないが、電動化が避けては通れない未来において、スポーツカーというものの存在意義をどのようにプロダクトとして昇華させ、どのようにユーザーの共感を得ていくのかは、自動車産業全体にとっても極めて重要な課題である。

「電動化時代のスポーツカーって?」という問いへの一つのヒントとなるのか―その為には、コンセプトカーの域を脱し、実際に市販化して世の中に真を問うことでしか確認できないのだろう。

 こんな時代だからこそ、破天荒といわれるくらいのチャレンジを、日本メーカーにはぜひ期待したい。日本を、再び元気にするために。

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