関西空港の橋が「グチャグチャ」に…6年前の台風で起きた「タンカー激突」事件とは!? 異例の「選別検問」も発生!今回の台風も「進路が似ている」
6年前の2018年9月、台風21号が関西地方を襲いました。関西空港につながる連絡橋が事故で損傷し、長期間にわたり空港アクセスに影響が及びました。いったいどのような事故だったのでしょうか。
強い台風が「関西襲来」そこで起きた事件とは
非常に強い台風10号が接近しています。8月30日には九州へ上陸し、ゆっくりとした速度で、来週にかけて日本列島を縦断していくと見られ、各地で記録的な暴風雨が予想されるとしています。
このような晩夏の強い台風は、6年前の台風21号が関西地方を襲った際も、大きな被害をもたらしています。
その被害のひとつが、関西空港につながる連絡橋の損傷事故で、長期間にわたり空港アクセスに影響が及びました。いったいどのような事故だったのでしょうか。
2018年9月4日から関西では暴風雨が強くなっていました。荒れる港湾部を避けて、貨物船などは関西空港周辺の海上に錨(いかり)を下ろして停泊していました。
しかしあまりの風の強さに、1隻のタンカーが錨で抑えられなくなり、流されて、関西空港連絡橋の橋桁に衝突したのです。損傷した橋桁は長さ188mにもおよびました。
これにより、連絡橋は完全通行止めになってしまい、飛行機も運航中止に。翌5日も、次の6日も通行止め。7日になって、ようやく一定の安全が確認されたことから、主要な公共交通機関に限って通行可能になり、「臨時シャトルバス」が運行。飛行機は国内線から運航再開となりました。
暴風雨で空港施設にも各所で損傷が発生していましたが、徐々に機能を復旧。しかし連絡橋は損傷がひどく、一般交通の通行再開には時間がかかりました。
まず、事故から2週間後の9月18日に、鉄道(JRと南海)が運行再開。21日からようやく、タクシーとハイヤーも通行できるようになりました。
連絡橋の入口には警察官が立ち、異例の「選別検問」の体制が敷かれました。車両を1台ずつ確認し、マイカーであれば先の通行を禁じるというわけです。
マイカーは、事故から1か月が経過した10月6日に、ようやく通行可能になりました。4車線規制から6車線へ全面復旧となったのは、事故からじつに7か月が経過した、2019年4月8日のことでした。
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こうして空港アクセスにも大きな影響を及ぼし、全国で死者14名を出した2018年の台風21号ですが、今回の2024年の台風10号も、似たような進路と規模であることが指摘されています。
関西空港では、事故の教訓をふまえ、海上交通安全法を運用変更。荒天時、船舶は同空港周辺の約5.5km周辺を航行することが正式に禁止されました。船舶の衝突は防がれますが、もっとも荒天時には連絡橋は事前に通行止めとなります。
また、その他の高速道路では、九州・四国・中国地方だけでなく関西・中部・東日本でも、気象状況によって高速道路が通行止めになる可能性があります。
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