東京~千葉の第3ルート「新湾岸道路」ついに概略ルート決定段階「秒読み」!? 課題整理も「バッチリ」 外環道から館山道へ直結
東京~千葉を東京湾沿いにむすぶ新たな高速道路「新湾岸道路」について、いよいよ計画が具体化していきます。一体どこまで話が進んでいるのでしょうか。
いよいよルート決定プロセスがスタート秒読みに
東京~千葉を東京湾沿いにむすぶ新たな高速道路「新湾岸道路」について、いよいよ計画が具体化していきます。
一体どこまで話が進んでいるのでしょうか。
現在、東京~千葉をむすぶ高速道路といえば、首都高小松川線から直通する「京葉道路」、もしくは首都高湾岸線から直通する「東関東道」です。
新湾岸道路は、それよりさらに海側を走る道路となります。
現在、話が進んでいるのは、外環道と接続する「高谷JCT」を起点に、千葉みなとを超えて蘇我・市川へ向かう区間です。
この部分が完成すれば、首都圏各方面から千葉県内へなだれ込む交通流を、こちらへ分散させることができるようになります。
長らく「検討路線」として“夢物語”のままだった新湾岸道路は、2023年6月に国や自治体、NEXCO東日本を交えた「新湾岸道路検討会準備会」が開催され、一気に具体化への道筋を進み始めたのです。
さて、事業化するためには、まずは「計画段階評価」で概略ルートを決定し、都市計画決定と環境アセスメントの手続きを完了させることになります。
そんななか、2024年8月2日に、「新湾岸道路有識者委員会」が開かれました。これは主に「計画段階評価をどうおこなっていけばいいのか」に対して助言をおこなう場となります。重要な道路事業となるため、適当な根拠で計画を進めていくわけにはいかないからです。
計画段階評価は最終的に概略ルートを決定するものですが、それまでには「なぜこの道路が必要なのか。ルートを決めるにあたって、何が沿線から求められているのか。単純に短絡すればいいのか、途中に必須の通過点があるのか」など、大局的な視点で検討しなければなりません。それを整理する段階が、この「有識者委員会」と言えます。
この会議ではすでに「国道357号・国道14号(千葉県区間)は渋滞損失20万人時間/年・km以上の区間が連担」「国道14号は、死傷事故率が高い区間が連坦し、最も高い区間は千葉県一般道平均の約45倍」「湾岸地域の救急搬送人員は千葉県内の44%を占めるが、近隣の二次医療機関が少なく、選択肢数に格差がある」など、課題整理のたたき台がまとめられています。
委員からの意見には「複数案の設定の段階において、一番注力してコミュニケーション活動を行うべきであり、丁寧にやるべきである」「自然環境や生活環境への配慮は欠かすことのできない要素であり、各ガイドラインに則って幅広く意見を聴取することは、非常に重要」
「自然環境と景観だけでなく、環境影響評価にもある『人と自然との触れ合い』の評価項目も追加してもよいと思う。配慮事項については、いろいろな立場の方々の思いを受け止めるようにとりまとめていくのがよいのではないか」などの意見が出されていました。
新湾岸道路において特にセンシティブな課題となるのが、船橋市周辺に広がる約1800ヘクタールの干潟「三番瀬」です。配慮項目では「千葉県三番瀬再生計画」との整合を図るとしています。
また「これから本格的に新湾岸道路のルートを検討していくということを広く周知することが重要である」という意見も。ともかく道路事業は「いきなり作りますと言われて、急に用地買収の話が出てきた」と言われがちなほど事前広報が弱く、文字どおりの“周知”といえるレベルとは程遠いのが課題になっています。
その反省もふまえてか、今回の会議資料では「地域への情報発信」にひとつの項目を割いて検討しています。そこでは「地元向けニューズレターの配布」などが挙げられています。ほかに「オープンハウス」「パネル展示」なども書かれていますが、これは計画段階評価の地元アンケートの際にほぼ必ず行われるので、特段目新しいことではありません。
さて、これからは、いよいよ住民アンケートなどで「何が必要か」などを聴取し、「概略ルートの複数案」が決まっていきます。それから2回目のアンケートで「概略ルートの最終決定」となります。
計画段階評価のスタートまで秒読みとなった、京葉間第3ルートの「新湾岸道路」。事業化するのは何年後の春となるのか、今後の動向に注目です。
それより船橋我孫子線の片側2車線化若しくはそれに代わる新路線が急ぐべき課題だと思うが。R357の立体交差化が進んでいる。千葉市などは南北路線に力を入れているが船橋頼りない。