スマホのアプリでクルマが「凄くなる!」って本当? GRヤリス&LBXの「サーキットモード」ってナニ? ある意味SDVなのか

シフトミスが確実に減る!?

 続いて、サーキットモード専用メーターとシフトタイミングインジケーターです。

 ちなみに今回の表示はGRヤリスが同モデルの開発ドライバー・大嶋和也選手のお勧め「カウントダウン方式」、LBX MORIZO RRの表示は同モデルの開発ドライバー・佐々木雅弘選手のお勧め「ギア比連動方式」に設定、シフトタイミングは共に5500rpmです。

サーキットモードだとメーターの表示が両側から中央に向かって緑→赤と変化し、指定されたシフトアップ回転数で青に変化
サーキットモードだとメーターの表示が両側から中央に向かって緑→赤と変化し、指定されたシフトアップ回転数で青に変化

 その印象は、ズバリ「シフトミスが確実に減ります」です。

 どちらのモデルも丸形に加えてバー式のタコメーター表示が可能ですが、サーキットのようなシーンでは瞬時にレッドゾーンギリギリを見極めるのは難しく、オーバーレブさせないために早めのシフトアップになってしまいますが、サーキットモードだとどちらの表示も両側から中央に向かって緑→赤と変化し、指定されたシフトアップ回転数で青に変化。

 それもメーターを凝視しなくてもシッカリと視野の中に入ってくる(視野角は下方向に約70度と言われている)ので、確実にシフトアップポイントが解ります。

 慣れるにつれてシフトタイミングの回転数をどんどん上げたくなりましたが、ATはともかくMTだと「シフト操作の訓練をしなければ」と思ったのも事実です。

 表示は完全に好みで選んでOKですが、個人的にはクルマと向き合って走る時はトルクバンドの確認もしやすい「ギア比連動方式」、タイムアタック時などは最小限の情報が貰える「カウントダウン方式(それも短めの秒数)」がいいかなと思いました。

 欲を言えばLBX MORIZO RRはヘッドアップディスプレイが装着(GRヤリスは進化型で廃止)されているので、せっかくならばここにも何かしらの表示ができるといいなと。

サーキットモードは「クルマ屋が作るSDV」の一つの答えと言えるかもしれない
サーキットモードは「クルマ屋が作るSDV」の一つの答えと言えるかもしれない

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 サーキットモードはある意味、ソフトウェアでクルマの価値を高める「SDV(Software Defined Vehcle)」をGRらしい解釈で実現したモノだと思います。

 世の中でもSDV、SDVと騒がれていますが、「実際に何ができるのか?」、「どんな価値が提供できるのか?」と問われると、正直試行錯誤なのも事実です。

 そういう意味では、サーキットモードは「クルマ屋が作るSDV」の一つの答えと言えるかもしれません。

 となると、更なる欲も出てきます。

 例えば、従来型GRヤリスで実施された「パーソナライズ機能」や、サーキットに埋め込まれている磁気センサーを活用した「ラップタイム機能」、更には、走行後にプロドライバーと比較できる「ロガー機能」など、夢は広がります。

 ちなみにサーキットモードの対象施設はインターナショナルサーキットだけでなくミニサーキットやダートコース、更にはクローズド施設(群馬サイクルスポーツセンターやMAGARIGAWA CLUBなど)など主要な所はほぼ網羅しています。

 しかし、「これが全てではなくリクエストがあれば追加も検討します(開発者)」と語っているので、SNSやイベントの時、更にGRガレージ経由で伝えてあげてください。

 アプリ提供時期は、進化型GRヤリスが8月21日、LBX モリゾウRRが2024年内となっています(アプリは無料)。

 リアルを楽しむためのデジタルのフル活用、これこそが「最新のクルマの楽しみ方」と言えないでしょうか。

 こんな面白い機能、オーナーだったら体感しないと勿体ないです。

 筆者は進化型GRヤリスオーナーの1人ですが、今まで以上にサーキット通いをしそうな予感がしています。

【画像】「えっ…!」これがクルマを「凄く」するアプリです。(20枚)

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Writer: 山本シンヤ

自動車メーカー商品企画、チューニングメーカー開発を経て、自動車メディアの世界に転職。2013年に独立し、「造り手」と「使い手」の両方の想いを伝えるために「自動車研究家」を名乗って活動中。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

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