トヨタもホンダも「アイドリングストップ」なぜ廃止する? ユーザーにメリットなし!? “消えゆく存在”となった理由とは

停車中にエンジンを止めて、燃料を節約する「アイドリングストップ機構」ですが、採用する車種が徐々に減少しています。その背景には、いくつかの理由があるようです。

「アイドリングストップ機能」なぜ廃止の方向へ?

 発売からわずか1か月で約3万8000台の受注を受け、ホンダ新型「フリード」は幸先の良いスタートを切りました。
 
 そんな新型フリードに関して、“従来はあったけれど、新型で廃止された装備”が話題になっています。それは「アイドリングストップ機能」です。

最近のクルマで「アイドリングストップ機能」が非採用となっている
最近のクルマで「アイドリングストップ機能」が非採用となっている

 先代フリードのガソリン車にはアイドリングストップ機能が備わっていたのですが、実は新型モデルには装備されていません。

 アイドリングストップ機能とは、クルマが信号待ちなどで停車するとエンジンを自動停止して燃料を節約、発進する際は自動でエンジンを始動するシステムです。

 何を隠そう、アイドリングストップ機能が廃止されたホンダ車はフリードに限りません。「フィット」や「ヴェゼル」はマイナーチェンジでひっそりと装備から消えました。

 また新規車種の「WR-V」は最初からアイドリングを非採用。すなわち、最近のホンダ車ではアイドリングストップ機能をやめる方向となっていることがわかります。

 しかも、そんな流れはホンダだけではありません。トヨタは「ヴィッツ」の実質的な後継車として2020年に「ヤリス」を発売しましたが、このヤリスにもアイドリングストップ機能は備わっていません。

 果たして、どんな事情があるのでしょうか。

 ヤリスがデビューしたとき、筆者(工藤貴宏)は開発者にその理由を尋ねました。すると“3つの理由”を答えてくれました。

 ひとつは、カタログの燃費数値に対してアイドリングストップ機能が与える貢献が少なくなったことです。

 2017年からカタログに記載される燃費の計測方法が日本独自の「JC08」から世界基準の「WLTC」に変わり、計測モードの変更によって停止状態の燃費が全体の燃費数値にあたえる影響が小さくなったのです。

 ふたつめは、アイドリングストップ機能を使って徹底的に燃費数値を良くする必要が、以前ほどなくなったこと。

 現在は全体的な燃費性能が底上げされ、アイドリングストップ機能を装着しなくても良好な燃費を引き出せるようになりました。

 その結果、アイドリングストップ機能に頼らなくても、低燃費車購入時の税金優遇制度を受けられるようになったことも大きな理由なのです。

 また、10年ほど前には新車購入の際にカタログの燃費数値をシビアに気にするユーザーがたくさんいましたが、全体の燃費性能が底上げされたことでそこまで気にする人が減ったことも背景にあるでしょう。

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