ホンダ新型「“大きな”オデッセイ」初公開! 「NSX」デザイン&3.5リッターV6採用! 顔面刷新の「上品“ミニバン”」米に登場

「オデッセイ」が北米と日本で「異なる進化」を遂げた理由とは

 どうして同じオデッセイながら日本向けとアメリカ向けに違いがあるのでしょうか。

 その理由は、現地のニーズに他なりません。

北米でのニーズを反映しながら独自の進化を続けてきた「“北米”オデッセイ」最新モデル
北米でのニーズを反映しながら独自の進化を続けてきた「“北米”オデッセイ」最新モデル

 たとえば実用性の高いシートアレンジは「本当に使える3列目を必要とする人のためのクルマ」と考えれば、豪華なことよりも使って便利な設計を選んだのは当然の選択。

 同様に大きな車体も居住性を高めるためであり、道路や駐車場が広いから車体の大きさに対して日本ほどデメリットがないアメリカでは、日本向けよりも大型化するのは当然の成り行きと言えるでしょう。

 また、内装の違いに関してはミニバンを求めるユーザーの考え方の違いもあります。

 日本における今のオデッセイが価格も高額な高級ミニバンで、とうぜんそれに対応するインテリアが求められます。

 いっぽうアメリカでは、あくまで実用的なファミリーカー。SUVではフォローできない実用的な3列目を求める人のためのクルマだから、高級感よりも使い勝手の良さが求められるというわけです。

 またパワートレインに関しては、アメリカではフリーウェイに合流する際の強い加速が大切。ロサンゼルスなどでは時として入り口手前の信号で停止が求められた後に、わずかな距離で本線の流れに乗れる速度まで加速する力強さが求められます(日本と違ってみんな勢い良く加速します)。

 そこで力不足を感じさせるようでは「フリーウェイでの合流が怖いクルマ」というレッテルを貼られてしまうので、トルクの太い大排気量エンジンが好まれるというわけ。だから3.5リッター6気筒なのです。

 ただしアメリカでも燃費を求めてハイブリッドの人気が高まりつつあるので、今後は北米向けのオデッセイもハイブリッド化されるかもしれません。

 ちなみに北米向けオデッセイといえば、2016年モデル(現行型に対してフルモデルチェンジ前の後期型)ではラゲッジルームの壁に掃除機が搭載されたことでも大きな話題になりました。

 しかし残念ながら、現行モデルでは装備から外されています。

 ところで、ホンダの「ラグレイト」というミニバンをご存じでしょうか。

 日本で1999年から2004年にかけて販売されていたこのミニバンは、何を隠そう北米向けオデッセイの2世代目(初代は日本と同じモデルを販売)。それを日本仕様としてカナダから輸入されたものでした。

 当時の日本のオデッセイよりも車体が大きく、また実用性を求めてスライドドア(日本向けのオデッセイはスイングドア)を採用していたのも特徴でした。

 もちろん、エンジンは排気量3.5リッターのV6だったのは言うまでもありません。

 その当時日本向けオデッセイにもV6が用意されていましたが、ひとまわり小さな3リッターでした。

 その進化版が、現在の北米向けオデッセイなのです。

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Writer: 工藤貴宏

1976年長野県生まれ。自動車雑誌編集部や編集プロダクションを経てフリーの自動車ライターとして独立。新車紹介、使い勝手やバイヤーズガイドを中心に雑誌やWEBに寄稿している。執筆で心掛けているのは「そのクルマは誰を幸せにするのか?」だ。現在の愛車はマツダ CX-60/ホンダ S660。

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1件のコメント

  1. あれ?ステップワゴンのデザイン踏襲しないんだね。やっぱり、カッコ悪いと認識してるのかな。

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