10年以上も「ETC」使っている人は要注意! 使用NGになるのはなぜ? 確認方法は? スグ分かる車載器の見方
普段高速道路を利用する人であれば利用しているETC。以前までは電波関連法令の改正により、一部ETC搭載機を使用できなくなると言われていましたが、現在は様々な事情により「当面の間」延長されています。ではどのようなETCが当てはまるのでしょうか。
自分のETC車載器は大丈夫? 見るべき場所は?
高速道路の料金所を通行する際に便利な「ETC」ですが、一部の古いETC車載器については今後使用できなくなる見通しです。
では、それは一体なぜなのでしょうか。
高速道路の料金所ではETCレーンを利用することでスムーズに通行できます。
国土交通省が公表しているデータによると、2024年4月における全国のETC利用率は94.9%であり、非常に多くのドライバーが活用している状況がうかがえます。
そもそもETCとは、車両に搭載されたETC車載器と料金所のアンテナとの間で無線通信をして料金支払いに必要な情報を交信し、自動的に料金の支払いをおこなう仕組みです。
しかし今後、一部の古いETC車載器については使用できなくなることが決まっています。では、それは一体なぜなのでしょうか。
まずその理由として、無線機器の「スプリアス規格」が変更されたことが挙げられます。
スプリアスとは無線機器から発射される電波のうち所定の周波数を外れた不要な電波のことをいい、他の無線機器に電波障害を引き起こすおそれがあるものです。
そこで世界無線通信会議は、その対策としてスプリアス発射の強度の許容値を改正しました。
これを受けて日本でも2005年12月1日に無線設備規則を改正し、旧規則に基づく無線設備(旧スプリアス規格の無線設備)の使用期限を2022年11月30日までと定めました。
つまり、旧スプリアス規格に適合する古いETC車載器は2022年12月1日以降使用できなくなる予定だったのです。
しかしその後、新型コロナウイルス感染症の影響によって「新スプリアス規格」に適合した無線設備の製造や移行作業に遅れが生じたため、旧スプリアス規格に基づく無線機器の使用期限は「当分の間」に延長されました。
とはいえ、旧スプリアス規格の無線機器はいずれ使用できなくなることが確定しているため、自分が使用しているETC車載器が当てはまるかどうかチェックすることが大切です。
なお国土交通省によると、旧スプリアス規格のETC車載器として「ARIB STD-T75準拠品」が該当します。
対象となる機種はごくわずかですが、古い車載器を利用している場合は車載器メーカーのウェブサイトで確認してみると良いでしょう。
さらに、ETC車載器に関しては「セキュリティ規格」も変更される予定であり、この規格に対応していない車載器は将来的に使用できなくなります。
セキュリティ規格とは、ETC(料金所・車載器・ICカード)について、盗聴・改ざんなどの不正防止を目的に定められた情報安全確保の規格です。
国土交通省はセキュリティ規格を変更する理由を「昨今の情報機器の能力向上にともなうセキュリティ脅威の増大への備えとして、セキュリティ機能を向上させるため」と説明しています。
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