トヨタに「是正命令」何が? 対象車種は問題ナシ? 国交省が結果公表で、ヤリクロなど9月再開へ

対象車種はいつ再開? 何が根本的な原因? 今後はどうなるのか?

 こうした内容をふまえて国土交通省は「トヨタからの原因調査結果の報告及び立入検査での確認結果等を踏まえ、トヨタ自動車に対し、道路運送車両法の規定に基づき、是正命令を発出した。またトヨタに対し、1ヶ月以内に再発防止策を報告し、その後四半期毎に再発防止策の実施状況を報告するよう求めた」と明らかにしています。

 今回の一連の事案に関してトヨタは、大きく以下の2つを原因として挙げています。

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 1.現場における原因
 ・認証申請に必要な書類を作成する際の社内の運用ルールが不明確
 ・認証業務における必要なリソーセスの明確化と管理が不十分
 ・認証業務の重要性に対する認識が不足
 2.経営面における原因
 ・経営/幹部の認証業務全体における理解と関与が不十分
ーーー

 これに加えてトヨタは、以下のように話しています。

「一連のご指摘や社内調査を通じて、弊社としてはこのたびの事案の原因が、現場と経営の両面にあったと捉えております。

 これらの認識をもとに正しい認証業務を実施するための仕組み・体制に見直すとともに、認証プロセスの責任と権限をあらためて明確化し、正確なデータ管理など基盤の整備を進めてまいります。

 これらを再発防止策としてすみやかにまとめ、国土交通省にご報告いたします。

 TPS自主研を通じて、中長期的な仕組み・風土づくりにも取り組んでまいります」

立入検査等により追加で不正を認定した車種(基準適合性は確認済み)
立入検査等により追加で不正を認定した車種(基準適合性は確認済み)

 なお2024年7月31日に国土交通省から是正命令を受けたトヨタの佐藤恒治社長は「あらためてお客様はじめ、仕入先・販売店など関係する皆様にご心配とご迷惑をお掛けし、深くお詫び申し上げます。この度は、是正命令での指摘を進撃に受け止め、今後、経営のリーダーシップのもと認証プロセスと責任・権限を改めて確認・明確化し、ガンバナンスを強化していきます」と述べています。

 なお今回、対象となった車種の基準適合性に関して、最初の7車種すべてが基準に適合していることが確認されています。

 そのため、カローラアクシオ/カローラフィールダー/ヤリスクロスは、2024年9月初からの生産再開を予定。

 また追加で明らかになった日本で販売されるノア/ヴォクシーは、2024年7月29日から出荷を停止していましたが、近日再開予定だと言います。

※ ※ ※

 今回、トヨタ以外にも各自動車メーカーから不正事案が出ています。

 この点については、決められたルールを守られなかったことは徹底的に反省し、次に活かしていくことが求められます。

 一方で世界的に競争が加速している自動車分野において、日本は各自動車メーカーの底力もあってまだまだ戦える状況にあります。

 そうした中で、日本の基幹産業となる自動車産業をさらに発展させていくには、世界統一のルールづくり、そしてルールの運用方法でリードしていく必要もあると言えます。

 今回の件では、あらゆるユーザーが不正やルール、運用などに対して様々な声を挙げています。

 こうしたユーザーの関心度が高いイマだからこそ、官民一体となった未来への議論を進めていく時かもしれません。

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