レクサス「爆速“最上級”セダン」実車展示! 「V8ツインターボ」で“650馬力”! まさに「LS-F」な「TS650」とは
ドイツにあるトヨタコレクションという博物館には、かなり過激なレクサス「TS650」と名付けられた1台が展示されています。どのようなモデルなのでしょうか。
まさに日本の最高級セダン! レクサス「LS」に設定されるオプションとレクサスの「爆速“最上級セダン”」!?
ドイツにあるトヨタコレクションという博物館には、トヨタの歴代モデルのほか、ドイツにゆかりのあるコンセプトモデルなども多く収蔵されています。
そんなトヨタコレクションの中でも、かなりの過激さを誇るモデルがレクサス「TS650」と名付けられた1台です。
このモデルは2012年に開催されたエッセンモーターショーにてワールドプレミアされたもので、レクサスのフラッグシップモデルであるレクサスLSをべースにTMG(現・トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパ)がチューニングを手掛けたもの。
基本的なスタイルはレクサスLSの面影を強く残していますが、ワイド化されたフェンダーによって全幅は2,015mmとなっており、そのフェンダー内にはフロント295/35R20、リア345/30R20という極太サイズのミシュラン パイロットスポーツを飲み込みます。
そしてその大径ホイールの中にはブレンボ社製のカーボンセラミックブレーキシステムが搭載され、圧倒的なストッピングパワーを兼ね備えていました。
またボンネットやフロントフェンダーにはダクトが設けられ、前後バンパーも専用形状のものがおごられており、ルーフはカーボンとすることで軽量化と低重心化もなされていました。
そして肝心の心臓部には、レクサスIS-Fにも搭載されたV型8気筒5.0Lの2UR-GSE型をベースにシリンダーヘッドやピストン、コンロッドなどを新規開発。さらにギャレットGT2871Rタービンを2機掛けし、650PS/710N・mという圧倒的な出力を実現。つまり車名にある650とは、最高出力を表していたというワケなのです。
そこに組み合わされるトランスミッションはアイシン製の8速ATとなり、パドルを用いた変速も可能なもの。これによって0-100km/h加速は4.2秒、最高速度は320km/hを誇るモンスターセダンとなっていたのでした。
一方のインテリアはLSの雰囲気を残すラグジュアリーなもので、シートはバケットタイプのものへ変更されているものの、ダッシュボードはアルカンターラが貼られ、カーボンとクロームと織り交ぜたトリムは高級ハイパフォーマンスモデルに相応しい仕上がりとなっていました。
このスペシャルモデルはメルセデスAMGやBMW Mに対抗し得るハイパフォーマンススポーツセダンとして実際に市販化も予定されていると言われていましたが、残念ながらそれは実現することはなく、LSをべースとしたハイパフォーマンスモデルは現在まで発売されていません。
ただこのTS650は実際に走行することが可能なレベルに仕上がっており、現地のジャーナリスト向けの試乗会も行われたほどで、販売されなかったことが残念な1台であることは間違いないところでしょう。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
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