噂の真相「農道で農耕車を追い越してはダメ?」は本当? 「農耕車優先」は従うべき? SNSで賛否両論あった農道の走り方
農道上に「農耕車優先」との標識が設置されているケースもありますが、この場合、トラクターなどの農耕車を追い越してはいけないのでしょうか。
農道って一体何のための道路?
全国各地には農道があり、農産物の出荷や流通に大きく貢献しています。
中には農道上に「農耕車優先」との標識が設置されているケースもありますが、この場合、トラクターやコンバインなどの農耕車を追い越してはいけないのでしょうか。
一口に道路といっても、高速道路や国道、都道府県道などさまざまな種類があり、特に田んぼやビニールハウス、果樹園などの付近には農業用道路(農道)が整備されています。
都市部ではあまり馴染みがないかもしれませんが、農業地帯の近くに居住している人であれば、日常的に利用しているかもしれません。
農道は農業の生産性を向上させる目的で、農地や収穫した作物の集出荷施設、加工施設などの周りに整備されており、国道や県道といった一般道路とつながっています。
これにより、農作物や加工食品などの運搬をしやすくする仕組みです。
さらに農道は「広域農道」、「農免農道」、「一般農道」という種類に分けられます。
まず広域農道は農業の受益面積が1000ha(ヘクタール)以上、延長10km以上で車道の幅員が5m以上という規模の大きい農道のことをいいます。
次に農免農道とは正式名称を「農林漁業用揮発油税財源身替(みがわり)農道」といい、農作業に使用する揮発油税額を免除する代わりの措置として整備された道路です。
もともと農林漁業者は「農業や漁業用の機械に使用するガソリンなどの揮発油税を免除して欲しい」と要望していました。
しかし税金を免除することは難しいため、その代わりとして揮発油税を財源とした農免農道が整備されたという経緯があります。
なお、この農免農道に関しては2008年度(平成20年度)までに整備事業が廃止されており、それ以降新たな農免農道は作られていません。
そして一般農道は、広域農道や農免農道以外の基幹的農道のことをいいます。
具体的には国道や県道などと接続する広域農道を中心として、その周りに一般農道が枝のように広がっているイメージです。
このように農道は農業のための道路であり、農業用トラクターやコンバインといった農耕車が通行している光景がみられます。
また農道上にはたびたび「農耕車優先」「農耕車に注意」などと書かれた標識が設置されていますが、このような場合に農耕車を後ろから追い越しても良いのでしょうか。
結論から言うと、「農耕車優先」の標識がある場合でも後続車が農耕車を追い越すことは可能です。
実はこの標識には法的拘束力がないため、厳密にはドライバーが従う義務はありません。
ただし農道が農業のために整備された道路である以上、農耕車の妨げにならないよう通行するといったマナーを守ることが大切です。
加えて、標識によって追い越しが禁止されている場合はもちろん、対向車が来ているときには無理な追い越しをしないよう注意しましょう。
そのほか農道に関しては、一部のドライバーの間で「道路交通法が適用されず、交通違反で捕まらない」という誤った認識が広まっています。
そもそも道路は高速道路や国道、都道府県道などの「道路法に定める道路」と、専用自動車道といった「道路運送法に定める道路」、そして不特定多数の歩行者・クルマが自由に通行できる「一般交通の用に供するその他の場所」という3種類に分類されます。
農道は土地改良法という法律に基づいて整備された道路で、基本的に「一般交通の用に供するその他の場所」に該当するため、当然道路交通法の適用を受けます。
SNS上においても「広域農道で警察が信号無視・シートベルト・携帯電話の取り締まりをしていた」「農道のシートベルト検問で捕まった」などの声が聞かれました。
農道は未舗装の場所も多く、また一般的な道路のように道路法や道路運送法に定める道路ではないことから、「道路交通法が適用されない」という勘違いが生じたものとみられます。
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農道は農業のために整備された道路であり、たびたび農耕車が走行しています。
農耕車はその特性上ゆっくりとした速度で走行していますが、クルマで後方から距離を詰めたり無理に追い越したりするような行為はやめましょう。
ナンバーの無い乗用草刈り機や田植え機などは「公道走行不可」となっていますが、「農道走行は大丈夫」と聞いていましたが、道交法の適用を受ける場合は圃場間の移動で農道走行は禁止でしょうか?
まず農道は所轄から違います。農道および林道は農林水産省管轄です。道交法については公安委員会と農水省が話し合いで道交法適用を決ますが、道交法が適用されてない道路もあります。農作業の邪魔(無断駐車)になること機など走行を優先するのは当たり前です。