スズキが“新たな”「技術戦略」公開! “10年先” 見据えた画期的「計画」とは

2024年7月17日、スズキは「10年先を見据えた技術戦略」を発表しました。どのようなものなのでしょうか。

スズキ「10年先を見据えた技術戦略」発表

 2024年7月17日、スズキは「10年先を見据えた技術戦略」を発表しました。

スズキが2025年にも登場させるとしている「eVX」
スズキが2025年にも登場させるとしている「eVX」

 スズキが発表した「10年先を見据えた技術戦略」は、大きく5つの項目に分かれています。

 1つ目が「軽くて安全な車体」。スズキが得意としている“小さく軽いクルマ”は、走行時のCO2排出量が少ないだけではなく、製造に必要な資源や製造で排出するCO2も少なくでき、省資源やCO2削減に貢献してきたといいます。

 そんなスズキのクルマを支えるプラットフォーム技術である「HEARTECT(ハーテクト)」を今後更に進化させ、軽量化技術による“エネルギーの極少化”に取り組むとしています。

 2つ目は「バッテリーリーンなBEV(バッテリーEV)/HEV(ハイブリッドEV)」。国や地域の再生可能エネルギー化の状況や、ユーザーの使用状況に合わせ、最もエネルギー効率が良い選択となる「適所適材な電動車をお客様にお届けする」ことを目指し、小さく効率が良い電動ユニット、小さく軽い電池など「小・少・軽・短・美」を体現し、エネルギーを極少化した電動車を開発するといいます。

 3つ目が「効率良いICE、CNF技術」。スズキは2023年に、内燃機関の根幹となる燃焼を追求したという高効率エンジン(Z12E型エンジン)を開発、最大熱効率40%を達成しています。

 今後はこの高効率エンジン技術を全展開し、更にカーボンニュートラル燃料対応や、次世代ハイブリッドによるエネルギー極少化を実現するとしています。

 4つ目が「SDV(Software Defined Vehicle)ライト」。スズキは、SDVについても「小・少・軽・短・美」によるエネルギー極少化を具現化したアフォータブルな仕組みでクルマの価値を創造する「SDVライト」を開発するといいます。

 ソフトウェア更新は有線と無線(OTA)をベストミックス、より使いやすいものに変化させるほか、ハードウェアを共有して部品費を抑え、ソフトウェアを再利用して開発費を抑えるなど、「これでいい、これがいい」と感じられるSDVを目指すとしています。

 最後の5つ目は「リサイクルしやすい易分解設計」です。これまでのリニアエコノミー(直線型経済)では、原材料採掘から製造・利用・廃棄の流れが一方向で、エネルギーの大量消費、資源の枯渇、環境破壊を引き起こしてきました。

 スズキでは今後、リサイクルや再利用を前提にした分解しやすい製品設計を行うことで、資源の総使用量を抑制し、エネルギー極少化によるサーキュラーエコノミー(循環型経済)を実現するとしています。

※ ※ ※

 スズキは、2025年までに市販化を目指すというコンセプトモデル「eVX」など、様々な“将来のクルマ”を公表しているほか、「ジムニー」や「ハスラー」のEV版の登場をほのめかしています。

 これらのクルマにも、この5つの技術が盛り込まれていくことでしょう。スズキの今後の展開に注目です。

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