60万…! トヨタ「ランクル“パトカー”」販売!? 白紺ツートン&デカ“赤色灯”の特別仕様! “謎のプライスボード”を掲げた「プラド」実車展示!

2024年7月に開催された群馬パーツショー2024に、ネクスコ・パトロール関東は、「60万」のプライスボードを掲げた「ランドクルーザー・プラド」のパトロールカーを展示。その気になる数字に来場者から多くの注目を集めていました。

「プラドパトカー」に表記された“60万”とは?

 2024年7月5日から7日に、群馬県高崎市のGメッセ群馬にて「群馬パーツショー2024」が開催されました。
 
 沢山のクルマが集まっていたなか、白と紺のボディにパトランプを載せた「ランドクルーザー・プラド」の姿を発見。
 
 しかもフロントガラスには「60万」と表記されたプライスボードのようなものが載っていました。
 
 この数字は何を意味しているのでしょうか。

「60万」と表記されたランクル・プラドのパトカー、その数字の意味は?
「60万」と表記されたランクル・プラドのパトカー、その数字の意味は?

 このツートンカラーのランドクルーザー・プラドの正体は、群馬県の高速道路の安全確保に努めるハイウェイパトロールカー。

 そんなパトロールカーが60万円で売りに出ているのかと思い、じっくりそのプライスボードを見てみると、表記されていたのは価格ではなかったのです。

 そこには初年度登録令和2年11月、走行距離60.0万km、車名ランドクルーザー・プラド、グレードTXと書かれています。

 実は60.0万円ではなく、60.0万kmという表示です。

 イベントが開催されたのは令和6年7月ですので、約4年で60万kmを走ったことになります。

 展示していたのは群馬県の高速道路をパトロールしている、ネクスコ・パトロール関東という会社です。

 ネクスコ東日本内に、多くの事業所(基地)を展開している同社ですが、群馬パーツショーということで高崎事業所から来ていました。

 実際にこの車両に乗ってパトロールしている隊員は、高崎事業所について次のように述べていました。

「この高崎事業所の担当は関越自動車道の本庄児玉インターから水上インターまで、北関東道の高崎ジャンクションから太田桐生インターまで、上信越道の藤岡ジャンクションから松井田妙義インターまで、群馬県を十字に走る高速道路を全て受け持つ基地になります。

 この基地には6台のパトロールカーが配備されていて、24時間365日高速道路をパトロールしています」

 さらに話を伺うと1回のパトロールで長い場合は170km前後を走るうえ、そのパトロールを1日に数回色々な方向へ向かうのを繰り返し、1年で10万km以上、6台全部の1年間の総走行距離は、なんと100万kmにも及ぶそうです。

 計算が少し合わないと思われるかもしれませんが、全部で6台あるパトロールカーが同時に全部が出動しているわけではなく、4台が常に稼働しており、残りは点検やこのようなイベント展示などで出動するといいます。

 また管轄は決まっていますが、何か起きた際には管轄を少し超えたところまで応援に駆けつけることもあるそうです。

 そういうイレギュラーなことが起きると走行距離は伸びます。

 最近では管轄外である関越道の南の方で事故も多く、その度緊急走行で駆けつけることも増えているので、走行距離が伸びる傾向にあるそうです。

 なお年間に10万km以上を走るためのメンテナンスはしっかり行われており、トラブルは起きていないといいます。

 それ故の信頼性やボディが頑丈であること、オフロード性能や加速性能の高さ、また道具を載せるためのトランクルームが広いことがパトロールカーにランドクルーザー・プラドが選ばれている理由とのことです。

 実際にラゲッジルームや後席にはカラーコーン、矢印版、アスファルト補修剤、発煙筒、オイル処理剤、消化器、ブルーシート、大きなバールやハンマー、反射材付きベストやマスク、フェイスタオルなど、事故処理などに必要な道具がぎっしり積み込まれていました。

 最近ではハイブリッド車が多くなったことから低電圧に対応するゴム手袋などが増えたことと、特有のものとしてクマ避けスプレーも装備されているとのことです。

 ネクスコ・パトロール関東ではパトロールカーの耐用期限を年数で区切るのではなく、耐用距離55万kmを区切りとしており、大半のクルマが3年半から5年で55万kmを迎え、2回目の車検を受ける前に退役するのだとか。

 つまり展示されていたランドクルーザー・プラドは60万kmを超えているため、年内には退役になる予定だといいます。

 また隊員のなかには普段パトロールカーでランドクルーザー・プラドに乗っていると、その性能の良さに惚れて自分でも購入する方もいるとのことです。

※ ※ ※

 今回はイベント出展に関しては、交通安全啓蒙の兼ねての展示だといいます。

 そしてパトロールカーのほかにも、市販のミニカーを自分達で改造したミニパトロールカー仕様のトヨタ「ハイラックス」とレクサス「LX」が展示されていました。

 このミニパトロールカーは、イベントによく展示しているといい、実際小さいお子さんなら乗って運転できることから、大人気だといいます。

 最後に前出のパトロール隊員は、「基本的なことですが車間距離などをしっかりとり、安全運転を心がけてほしい」とお願いしていました。

 高速道路で事故や故障などでハイウェイパトロールカーのお世話にならないよう、日頃から安全運転を心がけましょう。

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2件のコメント

  1. 読者も騙されたが記者も騙されたのかw
    面白い記事だった。

  2. 走行距離の60万キロだが、トラック屋さんとの走行距離と同等であるとの感が有る。運送屋さんは運ぶ物の種類や車種にもよるが、1日平均300キロくらいは移動する。乗務員が交代で運転すると成ると365日稼働で年間11万キロ程度と鳴る。5年で55万キロ走行だ。安全の為の仕事ととは言え、頭が下がる思いだ。
    あと、記事中「…..ハイブリッド車が多くなったことから低電圧に対応するゴム手袋などが増えた…..」と有る。法的に低電圧の定義は「直流で750V以下、交流で600V以下」の規定が有るのでこの様な書き方に成って居るが、必ずしも電圧は低くない。ちなみに、一般的なコンセントの電圧は100V。ハイブリッドの電池は約200Vだ(機器によっては650Vの部位も存在(全てでは無い))。

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