“新車で買える“三菱「最新型ランサー」あった!? ダイナミック顔の「スポーティセダン」! “ピニンファリーナ”デザインの「“グランド”ランサー」とは
日本では販売が終了した三菱のセダン「ランサー」。でも実はまだ世界では販売が続いています。その名は「グランドランサー」。いったいどのようなクルマなのでしょうか。
世界市場では販売を継続していた三菱「ランサー」
「ジープ」「パジェロ」「デリカ」など、数多くの名四輪駆動車を生み出してきた三菱。その伝統やイメージを生かし、現在ではラインナップのほとんどをSUVが占めています。
しかしかつては三菱も、他のメーカーと同じようにセダンを中心としたラインナップを持っていました。中でも1973年にトヨタ「カローラ」や日産「サニー」のライバルとして登場した「ランサー」は、長きにわたり三菱を代表するセダンとして名を馳せました。
初代は「サファリラリー」のイメージでヒット作に。2代目の「ランサーEX」ではターボモデルの通称「ランタボ」で走りのイメージをさらに高め、4代目からは“ランエボ”と略されるスポーツモデル「ランサーエボリューション」のベース車となりました。
ところが日本市場では、乗用車としてのランサーは6代目の「ランサーセダン(登場時は「ランサーセディア」)」を最後に2010年に消滅。ランサーエボリューションも「X(テン)」も2016年で終売しています。
そしてランサーの名を唯一残していた商用モデルで、日産「AD」のOEM車だった2代目「ランサーカーゴ」も2019年には販売を終了し、国内からランサーの名前がすべて消えてしまいました。
そんなランサーなのですが、実はランサーのポジションを引き継ぎ、2007年から発売を開始した「ギャランフォルティス」は、海外では7代目ランサーとして販売が行われました。
販売地によって異なる名前で売られていましたが、台湾では「ランサーフォルティス」と、そのスポーティ版である「ランサーイオ」と命名されていました。
両車ともに日本のギャランフォルティスとは前後デザインが異なっていましたが、のちに、世界中で販売していたランサーのグローバルモデル(日本のギャランフォルティス含む)に準じたリスタイルが行われています。
このように台湾向けランサーは2種類が併売されていましたが、2017年には、これらを統合したニューモデル「グランドランサー」が出現。現在も販売が続いています。
グランドランサーはランサーの歴史では8代目にカウントされることがありますが、基本的には7代目ランサーのグローバルモデルをベースとした大幅改良モデル。
とはいえ、フロントは近年の三菱が採用するデザインコンセプト「ダイナミックシールド」を採用したことにより、「エクリプスクロス」や「RVR」に似たシャープなマスクに変身しています。
ボディサイドのパネルも深い彫りが与えられた新造形に刷新されたほか、リアもデザインを変更。7代目ランサーの基本骨格を変えないままで、大幅なイメージチェンジを果たしています。このリデザインは、かの名門カロッツェリア「ピニンファリーナ」が手がけています。
内装にも手が加えられており、ギャランフォルティスと同じ水平基調のダッシュボードは、逆台形の大型コンソールを持つまったく新しい形状に変更。メーターもフル液晶のデジタルメーターを備えています。その一方で、パーキングブレーキは従来通りのレバー式のサイドブレーキが残されています。
搭載されるエンジンは、ギャランフォルティスの後期モデルから搭載された1.8リッターSOHC直列4気筒の「4J10型」で、最高出力139ps(102kW)を発生。トランスミッションはINVECS-III 8速マニュアルモード付CVTを組み合わせています。
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台湾を含め世界的規模で続々と新たなSUVが登場する一方、セダン市場は縮小が進んでいます。しかしこのような中で、かなりのコストを掛けた大規模な変更を行ないグランドランサーは誕生しました。
その理由を考察すると、本国日本の三菱がセダンの開発をやめてしまったことにあるのかもしれません。セダンが重要な商品という市場は世界中に存在するため、グランドランサーはその地域をカバーする役目も担っているのではないでしょうか。
現代では貴重となった「新しいセダン」として、今後の動きに注目したいと思います。
Writer: 遠藤イヅル
1971年生まれ。自動車・鉄道系イラストレーター・ライター。雑誌、WEB媒体でイラストや記事の連載を多く持ち、コピックマーカーで描くアナログイラスト、実用車や商用車・中古車、知られざるクルマの記事を得意とする。
ピニンファリーナ
40数年前のスーパーカーブームの時に聞いた事があるな