日産の「和製スーパーカー」!? 斬新「3人乗り」仕様&目がバグる「幅狭」仕様! “後輪駆動”でめちゃ楽しそうな「ブレードグライダー」とは
モーターショーなどでは、様々なコンセプトカーが発表され話題になります。2013年に行われた東京モーターショーでは、日産が「ブレードグライダー」を出展していました。どのようなモデルなのでしょうか。
日産の“和製スーパーカー”「ブレードグライダー」
国産メーカーの中でもいち早く電気自動車をイメージリーダーとした日産は、未だに国産BEVの中では圧倒的知名度を持つメーカーとして知られています。
そんな日産が2013年の東京モーターショーに参考出展した「ブレードグライダー」は、その名の通り滑空するように走るクルマをイメージして作られた電気自動車であり、航続距離に大きく影響を与える空気抵抗を極限まで低減させた独特のフォルムが最大の特徴となっていました。
このブレードグライダーは4輪車でありながら、フロントのトレッドを極端に狭くして前面投影面積を減らしており、フロント1名、リア2名の3人乗りという特殊なシートレイアウトを持っていました。
そして5個の電池モジュールから構成する220kWの高性能リチウムイオンバッテリーを動力源とし、後輪それぞれに搭載された130kW×2の電気モーターにより駆動する後輪駆動レイアウトとされています。
2013年の東京モーターショーに展示された際は実際に走行することはできないモックアップとなっていましたが、2016年には走行可能なプロトタイプが登場。
基本的なスタイルは2013年モデルを踏襲していましたが、跳ね上げ式のバタフライドアは、モックアップ時はフロントヒンジだったのに対し、プロトタイプはリアヒンジとなっていたほか、ルーフ部分には万が一の横転時に乗員を守るロールオーバープロテクション構造も加わり、かなり現実的なフォルムになっていました。
後輪に備わる2つのモーターのシステム出力は268馬力、最大トルクは707N・mと強大なもので、1300kgほどの重量の車両を5秒で100km/hまで到達させる加速力を持ち合わせていました。
また極端に狭いフロントトレッドでも回頭性を損なわないように、リアにトルクベクタリングシステムを搭載し、積極的に介入させることでステアリングに頼らないコーナリングを実現しているとアナウンスされており、一般的なクルマとは異なるハンドリング特性を持ち合わせていることを感じさせていたのです。
当時は走行可能な実車をサーキットへ持ち込み、メディア向けに同乗走行なども実施するほど完成度の高かったブレードグライダーでしたが、結局市販化はされることなくプロジェクトは終了。
ただモーターとブレーキの制御によってコーナリング性能を高める手段などは現在販売されているe-4ORCEにも採用されているため、決して無駄ではなかったと言えるでしょう。
Writer: 小鮒康一
1979年5月22日生まれ、群馬県出身。某大手自動車関連企業を退社後になりゆきでフリーランスライターに転向という異色の経歴の持ち主。中古車販売店に勤務していた経験も活かし、国産旧車を中心にマニアックな視点での記事を得意とする。現行車へのチェックも欠かさず活動中。
コメント
本コメント欄は、記事に対して個々人の意見や考えを述べたり、ユーザー同士での健全な意見交換を目的としております。マナーや法令・プライバシーに配慮をしコメントするようにお願いいたします。 なお、不適切な内容や表現であると判断した投稿は削除する場合がございます。