【試乗】ホンダ「ステップワゴンSPADA」 大幅改良でどう変わった?(写真30枚)

「どう走らせたいか」で選べるラインナップに

 身のこなしについては、ガソリンモデルの方がさらにキビキビとしています。車体のロールが深まって荷重変動が安定すれば、ハイブリッドモデルもガソリンモデルと同じくピタリと安定したコーナリングができるのですが、床下にリチウムイオンバッテリー(IPU)を搭載し、100kg重たくなる影響からか、ハンドルの切り始めで少しだけロールスピードが早く感じられます。

 とはいえ、ハイブリッド化に応じてIPU(インテリジェントパワーユニット)を囲むようにクロスメンバーを配置し、フロントバルクヘッドやフロアフレームおよびサイドシルに断面補強を施し、フレームに溶接を増したというボディ自体に見劣りはなく、「Cool Spirit」と同じ17インチを履かせれば、これも解決できるのではないかと感じました。

「わくわくゲート」は健在。
ディーラーオプションの「ハンズフリースライドドア」。

 結論づけるにハイブリッドモデルは、より上質な「ステップワゴン」に乗りたいユーザーに向けたモデルです。最も安価な1.5L VTECターボ「B」と比べて約85万円の差額は、燃費で取り返すのではなく上質感を得るためのものだと言えるでしょう。

 逆にガソリンモデルは、走りの軽快さと手に入れやすい価格をもって、これを道具的に、ガシガシ使うのがとてもホンダらしく、ステキな乗り方だと思います。

 もしハイブリッドモデルを買える予算があるなら、その間を取ってガソリンモデルで走りの「Cool Spirit」を選ぶのも手ですね。そう考えると、「ステップワゴン」のラインナップはとても充実したと感じます。

【了】
提供:乗りものニュース

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Writer: 山田弘樹(モータージャーナリスト)

自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。レース活動の経験を活かし、モータージャーナリストとして執筆中。並行してスーパーGTなどのレースレポートや、ドライビングスクールでの講師も行う。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員。

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