新宿駅西口の「謎のぐるぐる道路」再開発で消える!? 「昭和の記憶」なぜ見納め ”西口の穴”「残してほしい…」設計者の思いとは
西口の「穴」には大きな意味があった!設計者の思いとは
確かにループ通路は無くなりますが、「地上と地下ロータリーをつなぐ穴」は残される方針になっているのです。
この「新宿駅西口の穴」には、深い意味があります。1966年に誕生したこのロータリーを設計したのは、建築家である坂倉準三氏。坂倉建築研究所の説明では、設計コンセプトとして「地下駐車場に導く螺旋状の斜路とともに設けた吹抜け空間は、多くの人が行き来する地下広場に光と風を導く」としています。
再開発にあたって坂倉氏は、2017年に以下のようなコメントを発表。この「ボイド(穴)」に対する思いを語っています。
「地下1階は西口における最も重要な広場として、地下1階中央上部を大きく開口させ、地下1階歩道にまで、自然光線を取り入れ、地上広場との空間的つながりを得、地上地下一体となった有機的かつ『自然』な駅前広場の計画がなされなければならない
西口広場がこれから先もさらに生き生きと使い続けられていくためには、今後の改修改造に際しては、この広場の本質を決めることになった地下空間の地上化の意味について改めて思い起こすよう望みたい」
東京都はこの設計思想を尊重し、西口広場にこの「ボイド」を残す方針にしたといいます。
まだ詳細設計は公表されていません。まずは旧小田急百貨店側の工区から順番に工事が進められていきます。ループ道路の部分もまだ着工は先になりそうで、しばらく「昭和の香り」残るこの風景を惜しむことができそうです。
なお、このループ部に現在、足場が大々的に架けられていますが、これはループ部を解体するものではないと、東京都は説明します。デッキ部周辺の工事のため、仮設の工事用スロープが設けられるため、そのための足場だといいます。
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