ホンダ「ZR-V」は、現行「シビック」（11代目）をベースとしたSUVです。
　
　ボディサイズは全長4570mm×全幅1840mm×全高1620mmと、ホンダのコンパクトSUV「ヴェゼル」よりもひと回り大きいモデルとして、2023年4月に発売されました。

　外観は、流れるようなシルエットとスポーティなスタンスにより、存在感を表現。バーチカル縦グリルと横長でシャープなヘッドライトを採用するなど、スタイリッシュで高級感のあるデザインが特徴です。

　内装は、左右に伸びやかに広がるインストルメントパネルを備えるほか、運転席と助手席の間には中空タイプのコンソール（ハイデッキセンターコンソール）を配置。パーソナル感のある前席を生み出しています。

　さらに、インテリアにガラスパールを用いた「パール調プライムスムース」を採用。光を取り込んだときに輝きによる色の変化が車内を彩り、高級感のある内装を実現しました。

　新型ZR-Vのパワーユニットは1.5リッターターボと2リッターハイブリッド（e：HEV）を用意。

　なかでもハイブリッド車は、ベースとなったシビックのハイブリッドモデルで好評の「スポーツe：HEV」をSUVに初搭載。新世代の2モーターハイブリッドシステムを最適化し、3リッターV型6気筒エンジン以上のトルクで上質かつ爽快な走りを味わうことができます。

　また、新型ZR-Vはヒールポイントとヒップポイントの高低差を小さくすることで着座位置を低く設定し、クルマとの一体感を感じられるスポーティなドライビングポジションとすることで、走りが楽しいSUVとなっています。

　ZR-Vの発売から約1年が経過しましたが、ホンダ広報部によると、2024年5月中旬時点の総受注台数は約7万台と、販売状況は好調のようです。

　グレード別では、最上級グレードの「e：HEV Z」が約80％、次いで「e：HEV X」が約8％、「Ｚ」が約7％、「Ｘ」が約3％となっており、ハイブリッド車を選ぶ人が9割にも及びます。

　ボディカラー別では、「プラチナホワイト・パール」が約33％、「クリスタルブラック・パール」が約26％、「スーパープラチナグレー・メタリック」が約16％と、高級感のあるSUVだけにシックなカラーを求める購入者が多いといえるでしょう。

　ZR-Vの購入者の半数は40代から50代が占めているのですが、他のホンダ車と比較して、20代から30代の若い世代が多いのも特徴のひとつ。

　人気のSUVでありながら、シビック譲りの高い走行性能が若い世代にも選ばれる理由となっていることが推測されます。

　昨今はだいぶ解消されつつあるものの、半導体などの部品の供給不足によって新車の納期が遅れがちでした。

　ZR-Vに関しても、同じホンダのSUVであるヴェゼルの生産を優先するために、発売時期が延期されたという経緯があったのですが、ここへきてZR-Vの納期も短縮されています。

　2024年1月以降、半導体部品の供給が回復し始め、ホンダは生産台数の増加を図っています。

　ZR-Vの場合、受注の約9割がハイブリッド車となっており、この売れ筋のグレードの生産を優先。そのため、現時点ではハイブリッド車の方が納期が短く、2～3か月前後で納車される見込みです。

　なお、ガソリン車の納期は3～4カ月ですが、今後はさらなる納期短縮が計画されているとのこと。人気のSUVをそれほど待たずに手に入ることができるようなるといいます。

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　2024年夏にはZR-Vの特別仕様車「ブラックスタイル」が発売される予定です。

　内外装にブラックを取り入れたスポーティでスタイリッシュなデザインが特徴で、外観は、バンパーガーニッシュやバンパーコーナープロテクター、ホイールアーチプロテクターなどにブラック塗装を施したほか、内装もルーフライニングにブラックを用いることで、シックで落ち着いた雰囲気のインテリアを実現しました。

　ZR-V ブラックスタイルは、ハイブリッドの「e：HEV X／e：HEV Z」をベースに2つのグレードをラインナップし、駆動方式はFFと4WDが選択できます。