最新技術から次世代技術まで! 自動車産業の未来が見える「人とくるまのテクノロジー展2024」開催中
LEDデジタルパネル、HDライティング、路面描画プロジェクションマッピングで、次世代の自動車照明を提案
日本の自動車向けライトメーカーとして有名な「市光工業」は、現在、ヴァレオグループの企業として活躍しています。今回の展示では、LEDデジタルパネル搭載のフロントライティングシステムやHDライティング、路面描画プロジェクションマッピングなどを紹介しています。
LEDデジタルパネル搭載のフロントライティングシステムは、中国のEV自動車ブランド「ZEEKR 007」に採用されるもので、ヘッドライトレンズの高さがわずか15mmの超薄型バイファンクションエッドライトと1700個以上のLEDで構成された2つのデジタルパネルを備えています。優れた照射能力を備えるのはもちろんですが、LEDライトを変化させることができ、ライティングでフロントマスクの印象を変えることができます。
HDライティングは、ヘッドランプの照射範囲を数万ピクセルに分割し、個別に制御する技術です。これによりハイビーム時の部分的な消灯で、ライトによる視界を高めた状態のまま、対向車ドライバーや歩行者などの幻惑を避けるなどができます。
さらにライトが照らす前方路面上に、レーンガイドやナビゲーション表示を投影することや、車両前方の横断者の足元を強調することで、ドライバーに発見しやすくさせることもできるそうです。
また路面描画プロジェクションマッピングは、ヘッドライトで路面に進行方向を示すなど自動車の動きを示すことで、歩行者や二輪車など他の道路利用者とのコミュニケーションを図り、事故の予防につなげるものです。市光工業では、走行音が静かなEVや死角の多いトラック、バスなどの大型車にも効果的な安全機能として紹介しています。
視線移動を減らし、安全性を高める次世代メーターパネル「スカイライン イマーシブ ディスプレイ」
フォルヴィアは、欧州の大手部品メーカーであるフランスの「フォルシア」とドイツの「ヘラー」が合併して生まれた世界第7位の自動車技術サプライヤーです。
同社の最大の目玉といえるのが、新たなメーターパネルシステム「スカイライン・イマーシブ・ディスプレイ」です。同システムは、既存のメーターパネルとヘッドアップディスプレイに代わるものとして開発され、フロントウィンドウ下側に情報を表示することで、道路とディスプレイ間の視線移動を減らし、より安全な運転環境とするものです。
薄型でダッシュボードを横断する形となるディスプレイは、3つの表示パネルを組み合わせているのが特徴です。視野角に合わせて、速度やADASなどの重要な安全情報は200ppiのTFTディスプレイ、インフォテイメント情報は60ppiのミニLEDディスプレイ、環境照明や障害物警報などは12ppiのLEDライトタイルディスプレイに表示します。
これは目的に合わせて表示パネルの解像度を最適化することで、コストを抑えるだけでなく、ドライバーの伝達情報を選別化し、より直感的な理解につなげることを目的としています。また情報をダッシュボード上部に表示することで、フロントガラスや専用スクリーンに表示するヘッドアップディスプレイと同様に視線移動を抑えられるので、デザインのシンプル化にも貢献します。
同システムは、優れたアイデアとして、今年1月に米国ラスベガスで行われた世界最大の電子機器類の展示会「CES2024」で「イノベーションアワード」に輝いています。EVなどの電動車や自動運転技術との親和性の高さから、自動車メーカーの関心は高く、近い将来に搭載車が登場しそうです。
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