カーエアコンの「フィルター」なぜ価格がピンキリ? 「交換フィルター」高い・安いで何が違う? 交換時期の目安は?
カーエアコンのフィルターは定期的に交換することが推奨されていますが、その交換フィルターは安いものから高いものまでさまざまです。価格によってどのような違いがあるのでしょうか。
エアコンフィルターの役割は空気の濾過だけではない
気温が上昇する時期になり、クルマに乗っているときにカーエアコンを作動させる人や、春の花粉症対策として、窓を閉め切ってカーエアコンを使用する人もいるかもしれません。
そんなエアコンの効果を最大限に発揮させる役割を負っているのが、「エアコンフィルター」です。
エアコンは車外の空気を取り込んで冷風を吹き出しますが、エアコンフィルターは外部空気の取り込み口に設置され、チリやホコリ、虫の死骸といったゴミを濾過することで、本体内の部品を保護しています。
また、花粉や黄砂、PM2.5、タバコの煙といった物質も取り除きます。ひと昔前のカーエアコンには設置されていませんでしたが、ユーザーの健康意識の高まりから、現在では標準装備されるようになりました。
このフィルターが目詰まりすると、空気の流れが低下し各部品に負荷がかかります。その結果、空気がなかなか冷えなくなることに加え、エアコンがエンジンと連動して動作することから燃費も悪化。
そして、たまったホコリにカビが繁殖し、悪臭を放ったり、ホコリは湿気を抱えるので、汚れたエアコンフィルターを使っているとクルマの窓が曇りやすくもなるなどの症状も現れることから、フィルターは定期的に交換する必要があります。
ところが、カー用品店などではさまざまな交換フィルターが売られています。4000円程度のものが多いようですが、安いものは1000円以下というフィルターも存在。では、価格によって何が違うのでしょうか。
現在の交換フィルターにはさまざまな付加機能がつけられており、一般的には高価なものほど高機能になります。
カー用品店の担当者は次のように話します。
「安い物でもエアコンのフィルターとしての役割はしっかりあります。しかし、値段が高くなると、消臭効果や抗菌効果があるものやウイルス、PM2.5に対応するといった機能が備わります。
こういった効果が欲しいお客様や、特に花粉や空気の汚れになる時期には、比較的高価なフィルターが人気という印象があります」
消臭や抗菌、抗アレルギーなどがポピュラーな機能ですが、これらの組み合わせや機能の高さからも価格が違ってきます。
そのため、最低限の機能で良いという場合は、安価なものを選ぶのもひとつの手です。また、高機能がついていても、とりわけ長持ちするというわけではないようです。
では、いつフィルターを取り換えれば良いのでしょうか。
フィルターを交換する目安について、前出の担当者は「エアコンの臭いが気になったら替え時だと思います」と語ります。
悪臭がするときは、フィルターでカビが増殖している可能性がありますが、空気の汚れが気になる時などでも、悪臭がしなければとくに交換する必要はないといいます。
また、多くのクルマの取扱説明書では、走行距離にかかわらず年に1回の定期的な交換を推奨しています。実際に、カー用品店には、「フィルターを取り替えて1年経ったから」と訪れる人が多いようです。
年に1回となると、エアコンフィルターは、クルマの備品のなかでも早めの交換が必要な消耗品といえそうです。新車を購入した場合も、3年後の最初の車検を待たず交換したほうが良いかもしれません。
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フィルター交換は簡単な作業なので、プロに頼まなくても自分で行うことができます。工具も不要で10分程度で完了するでしょう。
エアコンフィルターの格納部は車種によって異なりますが、多くの場合はグローブボックスの奥にあります。
格納部のカバーを外して古いフィルターを取り出し、新しいフィルターを差し込みますが、このとき、表裏やフィルターの向きを間違えないようにしましょう。
そして、外した時と逆の順序でカバーを取り付けて終了です。具体的な交換方法は取扱説明書に従うと良いでしょう。
作業が終わったら、日付と走行距離をシールに記載してクルマに貼っておくと、次の交換の目安になります。
また、エアコンフィルターは車種により形状が異なるので、適合する型番などを購入前に確認しておくことも大切です。
フィルター交換って車種によってはめんどくさいような
最近の車種は簡単なのかな?