高速道路でクルマが故障! 「謎の△」無いと罰金6000円!? 使い方わからない人も多い「三角表示板」とは
クルマが故障したときなど、緊急停車する時には三角形の表示板の設置が必要です。一方で意外に使いかたを知らないユーザーも多いようです。
どのように使用するのが正しい?
クルマを所有していても、すべての備品を把握している人は意外に少なく、突然のアクシデントで走行が不可能になった場合、どんな備品を使えばいいのか分からないということもあるようです。
クルマの備品のひとつとして、トランクに積まれている“三角形のモノ”がありますが、緊急時に使うことは分かっても、実際はどうしたら良いか戸惑う人もいるでしょう。
三角形のモノは、一般的には「三角表示板」と呼ばれています。原則的にはやむを得ない状況で緊急停止する場面で、後方からの追突などを防ぐ目的で設置する「停止表示板」です。
三角表示板には意外と厳密な規定があります。教習所の元指導員であるI氏に聞いてみました。
「三角表示板は、道路交通法で緊急時のやむを得ない停車の場合に表示が義務付けられたものです。
法律上は『停止表示器材』という扱いになり、細かい規定では正立正三角形の反射板であること、夜間の後方200mからヘッドライトで照射して容易に識別できるものであること、また反射板の色は赤色、路面に対して垂直に設置できることなどが基準として設定されています」
時速100km前後で走行している高速道路や自動車専用道路上では、追突などの二次被害を回避するためにも、停止車両の存在をできるだけ早く認知してもらう必要があります。ただ一般道では表示義務がないのは意外だといえるでしょう。
「一般道で使用してはいけないというわけではなく、『義務ではない』ということです。
ただし高速道路や自動車専用道路で、然るべきシチュエーションで表示義務を怠ると『故障車両表示義務違反』となり、普通車の場合は違反点数1点と6000円の罰金が科されます」(教習所の元指導員 I氏)
ただし、クルマに常備していなくても違反にならないのがミソで、必要な場面で設置しないといけないというのが法解釈のようです。
そのため、三角表示板は新車で標準装備されておらず、オプション扱いとなっていることも多くあります。通販サイトなどでは1000円~2000円程度で販売されていますし、トラブルがいつ起こるかは予測もつかないので、事前に購入してトランクなどに常備しておくと良いでしょう。
三角表示板の組み立ては非常に簡単であり、何かあったらすぐに表示板を取り出し設置したいところですが、気になるのが設置場所です。
後続車にトラブルを知らせるために反射部分を後方に向けるのは間違いないのでしょうが、故障車からどれくらい離れた場所に設置すべきなのでしょうか。
「道路交通法では設置距離の規定はないようです。ただし、高速道路などでは後続車の速度が出ていることなどを考慮すると、50m以上後方に設置するのが好ましいとされています。発炎筒も同時に使用するともっと良いです。
実際に高速道路でトラブルにより緊急停車して後続車に追突された事故では、この三角表示板などの停止表示機材を設置していなかったことが原因のひとつとされています。
いざという事態に備える意味でも自分のクルマに搭載されているか確認しておきましょう」(教習所の元指導員 I氏)
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