車の「ホイールキャップ」なぜ減った? 昔は「標準」でも今は「消滅」近い? 新型車の“足元”が変化した理由とは

あえて「アルミホイール+ホイールキャップ」を装備するクルマも

 かつて高性能の証とも言えたアルミホイールですが、多くの車種で採用される傾向にあります。

 例えば軽コンパクトカーなどエントリークラスのモデルでは、廉価グレードではホイールキャップすら装備されないスチールホイールのみの状態で、上級モデルになって初めてホイールキャップが装備されることが多くありました。

 現在では、エントリーモデルであっても、廉価モデルがスチールホイール+ホイールキャップの組み合わせで、上級モデルではアルミホイールが当たり前のように装備されています。

アルミにホイールキャップを被せた「プリウス」
アルミにホイールキャップを被せた「プリウス」

 その一方で、トヨタ「プリウス」や日産「アリア」など、近年登場した新型車のなかでは、アルミホイールにホイールカバーをつけているというケースも増加しています。

 プリウスのホイールキャップについて、前出のトヨタディーラースタッフは以下のように話します。

「先代のプリウスの『ツーリング』モデルや新型プリウス『Z』グレードを除き、プリウスは基本的にアルミホイールにホイールキャップが装着されています。

 プリウスの標準モデルは基本的にホイールサイズが15インチとなっていますが、ツーリングモデルは17インチ、新型のZグレードは19インチとなっておりホイールキャップを装着しない仕様になっています。

 ただ、15インチのモデルの方がタイヤサイズが小さいこともあり、燃費は標準モデルのほうが良いです」

 特に昨今はハイブリッドカーやEVの普及によって、燃費(電費)のよさが最重要視されており、そのためには空力性能を向上させる必要があります。

 空力性能とは、走行中のクルマが空気の流れから受ける抵抗を防ぐ考えで、特に車体側面の空気抵抗や車体の浮き上がりを抑えることで、走行安定性や燃費を向上させることができます。

 こうしたことから、燃費が重視されるクルマでは、ホイールが受けるわずかな空気抵抗も無視できないものであり、その結果軽量なアルミホイールに空力性能を求めたホイールキャップを装着することで、さらなる燃費向上に期待が持てるようです。

 従来、ドレスアップの一貫として装着されたホイールキャップですが、クルマに求められる性能が変化したことで、再度ホイールキャップの採用例が増えてくるかもしれません。

※ ※ ※

 こうした一方で、ホイールキャップを装備するプリウスで「アルミホイールのデザインが好きだから」という理由で、ホイールキャップを外す人もいるようです。

 その反対に、アルミホイールが標準装備されるクルマに対し、あえて質素なデザインのスチールホイールを装着することで、タフで無骨な印象を与えるカスタムもあります。

 ホイールのデザインはクルマ全体のイメージチェンジにつながるため、自分好みの満足のいく選択をすることで、自身のクルマをより楽しむことができます。

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2件のコメント

  1. 長距離走る事はそう無くても毎日それなりの距離走ってる商用車からすると、アルミの方がトータルのコスパはよさそうだがどうなんだろうか。

    まぁ今の売り方からすると単発オプションではなくグレード選択をして初めてアルミを選べるとかだろうから、それを考えると最初から廉価グレード一択になるんだろうけど。

    仮にこのグレードの差を無視して鉄チン・アルミの選択肢だけで支払い出来るとしたら差額はどの程度で、それをペイする為の損益分岐になる走行距離はどのくらいなのかとかも計算して記事にしてほしいな。
    自分で乗用車に鉄チンを選ぶって事はまずないから参考にはならないが、実数があるととても勉強になる。

    期待してないけどw

  2. アルミホイールとはいえ鋳造だと強度をだすと鉄ホイールよりも重くなる。ホイールカバーを付けたとしてもさほど重くない。
    街中の発進停止が多いならばむしろ軽量なホイールセットの方が燃費には有利。高速の利用が多い中長距離ではフライホイールの原理で外周に重量が多い大径ホイールの方が有効。
    同一デザインで大量生産すればコストは多少なりとも抑えられる。
    まぁ、業務用だとそれなりにコスト的に抑えた方がアピール出来る。余裕があったらOPで追加すれば良いだけ。
    15インチだろうが19インチだろうが同一車種ならばタイヤの外周はほぼ同じなので標準車が燃費良いのは単にタイヤセットの重量に依る部分ですね。

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