車の「ホイールキャップ」なぜ減った? 昔は「標準」でも今は「消滅」近い? 新型車の“足元”が変化した理由とは
かつてクルマに装備されることが多かった「ホイールキャップ」は、現在は減ってきているようです。一体なぜなのでしょうか。
昔は一般的だった「ホイールキャップ」 なぜ減った?
近年、ホイールにホイールキャップ(フルホイールカバー)を装備するクルマが減って、反対にアルミホイールのクルマが増えているようです。
一体なぜなのでしょうか。

クルマのホイールは、素材で大きく分けると主に2つがあり、ひとつがアルミホイール、もうひとつがスチールホイールです。
このうち、スチールホイールは地味なデザインとなっていることが多く、この外観を隠すとともに、デザイン性を高めるためスチールホイールの上にホイールキャップが被せられているケースが多くあります。
さらに、ホイールキャップはハブ(ホイールボルト/ナットなどの取り付け面)周りへ、泥や水の侵入による錆を防ぐという役割もあります。
しかし、そんなホイールキャップは近年の新型車には装備されないことも増えてきているようです。
最近のホイールキャップの動向について、トヨタのディーラースタッフは以下のように話します。
「ホイールキャップをつけているクルマとしては『アクア』の標準モデルがあります。しかし上級グレードはアルミホイールで、ほかの車種でも最近はアルミホイールを標準採用するケースがほとんどのため、ホイールキャップをつけないモデルが多いです」
ホイールキャップを装備するクルマが減った一方で、アルミホイールを装備したクルマが増えてきました。
アルミホイールを装備するクルマが増えている理由としては、デザイン・燃費・軽量・乗り心地のよさなどでメリットが大きいことがあります。
かつて、アルミホイールは高嶺の花であり、アッパークラスのモデルやスポーツモデルなどの高性能車にのみ採用され、中級クラス以下は当然のようにスチールホイールが付いていました。
しかし、スチールホイールは価格を抑えるため、鋼板を打ち抜いて大量製造されることから、どの車種であっても共通したデザインとなっており、丸が連続したような味気ないものであることが多いのです。
こうしたことから、型にアルミを流し込んで製造するアルミホイールのほうがデザインの自由度も高く、さらに軽量のため燃費や乗り心地がよいことで、徐々に普及していきました。
そして、課題となっていた価格の高さも改善されつつあります。単純にスチールホイールと比較すると依然として価格は高いものの、クルマ自体の価値を高め、デザイン性や燃費、軽量である点などの魅力を考慮すると、価格は妥当だと判断されているようです。
このように、アルミホイールが一般化したことからスチールホイールも廃れていくとともに、ホイールキャップを装着するクルマも減ってきたようです。
その一方で、デザインや乗り心地よりも実用性やコストパフォーマンスが重視される商用車では、今でもスチールホイールが標準装備され、ホイールキャップを装着しているモデルもあります。



























