「出っ歯、竹ヤリ」暴走族の定番… 見た目スゴい過激カスタムなぜ誕生? ルーツはどこに

「竹ヤリ」のルーツとなったとされる名作映画とは?

 一方の「竹ヤリ」は、レーシングカーに由来しているわけではないようです。

 そのルーツにはさまざまな説があるとされていますが、そのなかでももっとも有力なもののひとつが、当時の暴走族文化です。

 日本の暴走族の歴史は、1960年代の「カミナリ族」にはじまるとされています。

 ただ、彼らの多くはスピードを追求した「走り屋」であり、いまでいう暴走族のようなものとは少し異なっていました。

 しかし、1970年代になると、暴走族という言葉は反体制的な要素を含むようになっていきます。

 そのきっかけのひとつが、1970年に公開された映画「イージー・ライダー」です。

 この映画では、ふたりの「ヒッピー」たちが、「チョッパー」スタイルのバイクとともにアメリカを駆け巡るようすが描かれており、当時の反体制主義的な文化(カウンター・カルチャー)を代表する名作として知られています。

これが出っ歯!(大阪オートメッセにて)
これが出っ歯!(大阪オートメッセにて)

 この映画に登場するバイクはどれも過激なルックスをしており、その多くは「竹ヤリ」のようなマフラーも備えています。

 このスタイルが日本の暴走族たちへと伝わり、そしてクルマのカスタムへとつながったものと考えられます。

 イージー・ライダーの影響もあり、1970年代以降の暴走族は「走り屋」からカウンター・カルチャーの象徴へと変化していくことになります。

 そうなると、カスタムの方向性も、速さを追い求めるものではなく、いかに反体制的であることを主張できるかという点がポイントとなります。

 反体制的であることは、多くの場合で非合理的なことでもあります。

 つまり、常識に縛られないことこそが反体制的であるというわけです。

 そう考えると、「出っ歯」はシルエット・フォーミュラにインスピレーションを受けたものではあるかもしれませんが、その非合理さはむしろ暴走族文化のほうが色濃いと言えそうです。

 また、「竹ヤリ」については、そもそも合理的なメリットがほとんどないという点で、暴走族文化の代名詞的存在であると言えます。

 ただ、こうした非合理的なカスタムスタイルは、現在ではかつてほど多く見ることはあまりなく、カスタムカーイベントなどで展示されるくらいです。

 これは、警察による取り締まりが強化されたことが最大の理由ですが、社会全体が合理性を求めるようになったこともそのひとつの要因なのかもしれません。

※ ※ ※

「出っ歯」や「竹ヤリ」に代表される暴走族風のカスタムスタイルは、アメリカでもそのまま「Bosozoku car」として一部のユーザーの注目を集めているようです。

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