登場4年目のトヨタ「高級SUV」なぜ人気? 「ハリアー」が400万円超の“高価格車”でもっとも売れる理由とは

中古車市場でもハリアーは人気

 2023年のハリアーの販売状況を見ると、ガソリン車が39%、ハイブリッド車が55%、プラグインハイブリッド車は6%でした。

 最も販売比率が高いのはハイブリッド車ですが、400万円前後を中心としたガソリン車も好調で、豊富なバリエーション構成もハリアーが人気を高めた理由です。

トヨタ「ハリアー」(PHEV)
トヨタ「ハリアー」(PHEV)

 さらにハリアーには、豊富な乗り替え需要もあります。レクサス「RX」のトヨタ版だった初代や2代目ハリアーも含め、30年近くにわたる歴史があり、その間にハリアーは高級SUVの代表車種として認知度を高め、先代モデルも好調に売られたので、多くのユーザーが現行モデルへ乗り替えています。

 販売店では「ハリアーは中古車市場でも人気が高く、高値で売却できます。そこで購入してから3年程度で先代ハリアーを手放して、改めて現行ハリアーを新車で買う人も多いです」と述べています。

 好条件で手放すことができ新型に乗り替えやすいことも、ハリアーの販売が好調な理由でしょう。

 それならアルファードとヴェルファイアはどうでしょうか。高価格車では人気抜群ですが、前述の通り両姉妹車の登録台数を合計してもハリアーに届きません。

 今のアルファードとヴェルファイアは、あまり人気がないのでしょうか。

 販売店にスタッフに聞いてみると、「アルファードとヴェルファイアは生産枠が限られています。現時点(2024年4月上旬時点)では、すでに8月までの生産枠が埋まってしまい、定額制カーリースのKINTO以外は受注を停止しています。次回の受注は7月~9月頃になりそうです」とのことです。

 一方、ハリアーの売れ行きと納期については、「ハリアーの納期は、『S』や『G』グレードは約5か月を要しますが、上級の『Z』と『Zレザーパッケージ』は3か月程度と短いです。ZとZレザーパッケージは、生産規模を増やしているようです」といいます。

 ちなみに以前のハリアーでは、ZやZレザーパッケージの納期が長く、当時は「本革のシート生地など、上級グレードとしての素材や装備を入手しにくいため、納期が遅延しています」と説明されました。

 それが今では、ZとZレザーパッケージの納期が短縮されており、人気度に応じた柔軟な生産を行うことで、販売比率の高いZとZレザーパッケージを購入しやすくなっています。

 このようにユーザーの人気動向を見据えて、納期を短縮すべく良心的な対応を図っていることも、ハリアーの販売が好調な理由でしょう。

 今のトヨタには、「ランドクルーザー(300系)」や近々登場する「ランドクルーザー250」、さらにレクサスブランドでは「RX」や「NX」、「LBX」まで、さまざまなSUVが用意されています。

 しかし納期まで含めて商品力を総合的に判断すると、高価格帯の中ではハリアーの満足度が最も高いといえるでしょう。

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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3件のコメント

  1. だって、もとから高価なだけの車だもの
    山野を駆け巡るわけでもなく車庫にランクル飾っとくのと同じ購買行動

    • ホント、なんの取り柄もないのになんであんなに高いのか判んないね。山野を駆け巡れるような性能もない生活4駆だし。

  2. ようするに、割安でカッコイイから売れてるってことですね。最近の流行りで実用的でもある。
    当たり前の話ではないでしょうか。
    家族向けアルヴェルが高価になり過ぎたという事情もありそう。

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