「動くぞッ!」 地面にめり込んだスバル「ヴィヴィオ」が話題に!? 超シャコタンな極限仕様、なぜ誕生?
2024年3月31日には東京お台場で「お台場痛車天国2024」が開催され、会場で特に注目を浴びた1台が地面に完全にのめり込んでいるマットグレーのクルマです。
誰もが二度見する…スゴいヴィヴィオ!
地面にボディがのめり込む痛車が東京お台場で発見されました。
異様な見た目のクルマですが、どのような背景で誕生したのでしょうか。

一般的に漫画やアニメーション作品、ゲーム等のキャラクター絵を内外装に施したクルマを痛車と言います。
2024年3月31日には東京お台場で「お台場痛車天国2024」が開催され、会場で特に注目を浴びた1台が地面に完全にのめり込んでいるマットグレーのクルマです。
この痛車のオーナーは宮城県在住の征一郎さん。
一見するとどの車種かわかりづらいですが、車体は一応スバル「ヴィヴィオ」となります。
リアガラスにはバトルゲーム「デジモンアドベンチャー」に登場するデジモン「スカルグレイモン」をカッティングステッカーで貼っており、れっきとした痛車です。
征一郎さんによれば、地面にボディがのめり込むクルマの動画をSNS上で見つけ、同じことを自身が所有するヴィヴィオでやったら面白そうと思いついたそうです。
使用したヴィヴィオは以前、「アイドルマスター シンデレラガールズ」に登場するアイドル「櫻井桃華」の痛車でしたが、ちょうど役目を終えて廃車状態になっていたとのこと。
他に所有しているクルマも仕様変更のタイミングで痛車天国に出展できる状態ではなかったため、廃車のヴィヴィオを使って制作する流れとなりました。
制作を始めたのは2023年12月で、そこから4か月かけて仕上げたとのこと。
一見すると「単に切っただけ」と思われます。実際に征一郎さんも簡単に作業は進むと見込んでいたようです。
ですが、実際にボディを切断するのは予想よりも困難を極めたと言います。
切断中にボディが歪むと窓ガラスの割れなども生じるため、まずはボディに直接パイプなどを溶接して補強、そこからショルダーラインより上を切断したとのこと。
また、あくまで「クルマ」であることを目指し、車内にはシニアカーを分解して流用した動力とかじ取り装置、そして運転するために人が入れる空間も確保されています。
鉛バッテリーを繋いで動くので一応「電気自動車」になると言えるでしょう。
リアガラスに貼られているデジモン「スカルグレイモン」は主人公・八神太一が強さを求めすぎたあまり、「アグモン」を「暗黒進化」させた姿として描かれています。
このヴィヴィオも「車高の低さ」を求めるあまり、このような「間違った車高低」になってしまったというストーリー性を演出したと言います。
そのため、リアガラスにはスカルグレイモンが貼られていますが、フロントには進化前の姿であるアグモンを貼るという配置になっているそうです。
征一郎さんによれば、以前からトラクターやコンバインを痛車にして、痛車イベントで展示していたと言います。
昔から他人がやらないような、ひときわ変わった面白い痛車づくりの理念が今回の「地面にのめり込む痛車」にも繋がったわけです。
また、ボディの加工自体は征一郎さん自身が手がけたものの、マットグレーへの塗装作業や、ガラスに貼るステッカーの制作は友人の力なしでは実現し得なかったとのこと。
今回の「お台場痛車天国2024」における「話題の1台」は征一郎さんの冒険心あふれるアイディア、そして多彩な才能を持つ友人たちとの絆の物語とも言えるでしょう。
Writer: 自動車ライター加藤博人
下関生まれ、横浜在住。2017年に初めて訪中した際に中国車の面白さに感動、情報を集めるうちに自ら発信するようになる。現在は慶應義塾大学環境情報学部にて学ぶかたわら、雑誌やウェブへの寄稿のみならず、同人誌「中国自動車ガイドブック」も年2回ほど頒布する。愛車は98年式トヨタ カレン、86年式トヨタ カリーナED、そして並行輸入の13年式MG6 GT。

















