最近の「新型車」なぜ価格高騰? 新型「クラウン」は100万円超の上昇!? 「GT-R」はデビュー時から約2倍に値上げされたワケ

ほかにもある「値上げ」の理由

 メカニズムや装備の上級化以外にも、値上げの理由は多いです。まずは昨今の原材料費や輸送費の高騰があります。

 軽自動車やコンパクトカーも数万円ではありますが、フルモデルチェンジやマイナーチェンジで値上げしています。

 そして、新型トライトンや新型アコードはタイ製の輸入車ですから、昨今の円安傾向も価格上昇の原因になるのです。

 販売台数も値上げに影響を与える要因となり、今回挙げた4車種は、いずれも高価格車で売れ行きを伸ばしにくく、なおかつ売れ筋のジャンルでもありません。

 新型クラウンセダンや新型アコードは今では人気の下がったセダン、新型トライトンもピックアップトラックですから、日本市場では売りにくいジャンルです。

 GT-Rは少量生産の高性能スポーツカーで、2023年の1か月平均登録台数は約70台でした。このように販売規模が少ないと、量産効果も低く、1台当たりの単価が高くなるのです。

14年で2倍に値上がりした日産「GT-R」
14年で2倍に値上がりした日産「GT-R」

 そしてGT-Rは、現行の「R35型」登場から14年を迎えるロングセラーモデルとなっていますが、2007年当時の価格は777万円でした。

 毎年のように改良を重ねて各部がアップデートされて、そのたびに値上げを実施。そして最新の2025年モデルの価格は発売時の2倍近くまで高額化しています。

 以上のような価格設定は、メーカーの販売意欲を表現しているといえるかもしれません。

 大幅に値上げされた車種は日本では売りにくいため、販売促進も積極的ではなく、さらにライバル車同士の競争もほとんどないことから、自社の都合に基づいて価格を設定するのです。「この価格で買ってくれる人に売れれば良い」という発想です。

 特にGT-Rや新型トライトンは、デザインや性能に強烈な個性があり、「欲しい人なら価格が多少高くても買ってくれるだろう」という見方もあります。

 手作りのパーツが多い車種は大量生産も困難で、少数販売を前提になるべく高い価格で売ろうと考えます。

 こういった事情は、大幅値上げされた車種で顕著に見られますが、ほかの車種でも多かれ少なかれ行われていることです。しかし逆にいえば、価格が比較的求めやすく大量に売られている車種は、機能と価格のバランスを見ても割安です。

 軽自動車のホンダ「N-BOX」やコンパクトカーの日産「ノート」、ミニバンのトヨタ「シエンタ」など、販売ランキングの上位車種はその代表例で、つまり販売ランキングのデータは買い得車を知る上でも利用価値が高いといえるでしょう。

 お買い得なクルマの購入を検討するなら、販売ランキングを参考にして選ぶと良いかもしれません。

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Writer: 渡辺陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、2001年にフリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を得意とする。

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1件のコメント

  1. 日本製鉄が駄々こねたから。

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