最近の「新型車」なぜ価格高騰? 新型「クラウン」は100万円超の上昇!? 「GT-R」はデビュー時から約2倍に値上げされたワケ
昨今の新型車は値上げされることが多くなっています。一体どのような事情があるのか、とくに値上げ幅が大きいモデルを例に、その背景を探ってみました。
クルマが高額化! なぜ?
最近の新型車は、従来モデルよりも車両価格が高くなることが多いです。
直近で登場したトヨタ「クラウンセダン」やホンダ「アコード」、三菱「トライトン」、日産「GT-R」などでは、モデルチェンジをきっかけに大幅な値上げをおこないました。
このような値上げの背景には、どのような理由があるのでしょうか。
理由としては複数の事情が考えられますが、まずはメカニズムや装備の上級化です。
新型クラウンセダンの「ハイブリッドZ」の価格は730万円で、先代クラウンセダンに2.5リッターのハイブリッドを搭載した最上級の「RSアドバンス」に比べて132万1000円値上げされました。
新型クラウンセダンのプラットフォームは基本的に先代と共通ですが、全長は120mm、全幅は90mm、ホイールベース(前輪と後輪の間隔)も80mm拡大。その効果で後席の足元空間が少し広がっています。
安全装備と運転支援機能も大幅に進化して、例えば渋滞時にステアリングホイールを保持しなくても運転支援が続く「アドバンストドライブ」が標準装着されるなど、快適性や機能性が向上しました。
しかし、クラウンの値上げは機能と価格のバランスで考えると80万円前後が妥当でしょう。132万円の値上げ額は過大と言わざるを得ません。
また先代から200万円以上の値上げとなった新型トライトンは、まずエンジンが異なります。
2011年に生産を終了した従来モデルは3.5リッターV型6気筒ガソリン自然吸気エンジンでしたが、新型は2ステージターボを装着した2.4リッター直列4気筒クリーンディーゼルを搭載。
4WDも異なり、従来モデルは4輪駆動と2輪駆動を切り替えるパートタイム式4WDだったのに対し、新型には前後輪の回転数を調節できるセンターデフが加わり、舗装路も含めて常に4WDで走行できるフルタイム式となりました。
新型トライトンはフレームも刷新され、4輪制御技術、安全装備、運転支援機能も採用。先進的なピックアップトラックに進化しています。
このようなメカニズムや装備の上級化を考えると、値上げも仕方ないと思われますが、価格の上乗せはやはり多額です。
新型トライトンの場合は、高度なプラグインハイブリッドを搭載する「アウトランダー」(499万5100円)とのバランスを考えると、価格はスタンダード仕様の「GLS」が高くても450万円くらいが適切でしょう。
ライバル車のトヨタ「ハイラックス」は、新型トライトンに比べてメカニズムがシンプルですが、「Z」が407万2000円、「Z GRスポーツ」でも431万2000円であることを考えると、新型トライトンが約500万円からというのは割高に感じます。
日本製鉄が駄々こねたから。