トヨタ「スターレット」復活! ホンダ「シティ」日産「サニー」も販売中!? なぜ“懐かし車名”海外で蘇る? 理由とは
日本でかつて販売されていたクルマが海外で復活するケースがあります。ほとんどの場合、元のクルマとコンセプトが異なることが多いですが、どのような背景があって復活するのでしょうか。
「懐かしい車名」なぜ復活? トヨタ「マジェスタ」復活? 他にも続々!
近年、日本では消滅したモデル名が海外を中心に復活するケースが増えています。
そこにはどのような理由があるのでしょうか。
かつてはトヨタ「クラウン」の最上級グレードに用いられていた「マジェスタ」というサブネームですが、クロスオーバーSUVを中心とするラインナップへと大胆に生まれ変わった現在のクラウンシリーズには、その名を冠したグレードは設定されていません。
一方、日本から遠く離れたサウジアラビアでは、クラウンクロスオーバーの最上級グレードに対してマジェスタの名が用いられています。
このように、日本では消滅した名称が海外で復活するという例が最近増えています。
たとえば、南アフリカではトヨタ「スターレット」「ヴィッツ」、タイなどではホンダ「シティ」、そして中東では日産「サニー」、それぞれ日本で販売終了した後に復活しています。
ただ、スターレットはスズキ「バレーノ」のOEM車、シティは「フィット」ベースのコンパクトセダン、サニーは北米における「ヴァーサ」であるなど、かつて日本で販売されていたモデルとは直接関係があるとは言えません。
また、これらのモデルが将来的に日本国内に導入される可能性も皆無です。
にもかかわらず、なぜ日本のユーザーにとってなつかしいモデル名が海外で復活するケースが増えているのでしょうか。
現実的な理由としては、知的財産権に関する問題が挙げられます。
通常、クルマのモデル名はその国や地域における商標登録をおこなったうえで実際に使用されますが、近年、知的財産権に対する意識が世界的に高まったことなどにより、商標登録やその関連法規に対応するコストが跳ね上がっています。
さらに、モデル名に使用できそうな単語や記号はすでに商標登録がおこなわれているというケースもめずらしくありません。
ポルシェ「911」は、当初はコードネームであった「901」という名称で販売される予定でしたが、中央に「0」を含む3ケタの数字はすでにプジョーが商標登録していたために、911という名称になったことはよく知られています。
もし、新規のモデル名を採用しようとするとこれと同じことが起こる可能性が高いと考えられます。
であるならば、すでに商標登録をしている名称を用いたほうがコストやリスクを最小限に抑えられるというのが、多くの自動車メーカーに共通した考えとなっているようです。
そのため、昔なつかしいモデル名を採用するケースは、今後も増えていくことが予想されています。
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