トヨタ「スターレット」復活! ホンダ「シティ」日産「サニー」も販売中!? なぜ“懐かし車名”海外で蘇る? 理由とは
「なつかしのモデル名」が増え続ける理由とは
一方、マーケティング上の観点からも昔なつかしいモデル名を採用するメリットは少なくアリません。
そのひとつは、歴史や伝統、そしてそれらがもたらす信頼感をアピールすることができ、それによって他車と差別化を図ることができるということです。
たとえば、2023年10月にホンダが発表した「プレリュード コンセプト」は、かつての「プレリュード」とは機構が大きく異なっていますが、歴史あるモデルの名前を用いることで、単なる新型車以上の価値を持たせています。
このことは、電動化の潮流によって新興BEVメーカーの勃興が著しい昨今において、非常に重要な意味を持ちます。
既存の自動車メーカーにとって、歴史や伝統はそれ自体が大きな強みであり、新興BEVメーカーが逆立ちしても手にすることができない資産です。
そうした強みをアピールする方法のひとつとして、昔なつかしいモデル名を利用するケースが多いようです。
また、昔なつかしいモデル名には「日本車」であることを示す手段という狙いもあるようです。
グローバル化が進む昨今の自動車産業では、クルマの無国籍化が進んでおり、かつてほどそのメーカーごとの個性を出しづらくなっています。
一方、日本車に対する信頼が根強い地域はいまでも多く、「日本車であること」自体が大きな価値を持っているというケースもめずらしくありません。
そのような地域で販売されるクルマに昔なつかしいモデル名を採用することは、「日本車であること」を強くアピールすることにつながります。
東南アジアや中東、アフリカなど、日本からの中古車が多く流入している地域では、特にそういった傾向が強いと考えられます。
このように、昔なつかしいモデル名が増えている背景には、新興BEVメーカーの台頭やクルマの無国籍化といった、現代の自動車産業を取り巻く大きな潮流が関係していると言えそうです。
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欧米の自動車メーカーを見ると、特別仕様車などをのぞいて、過去のモデル名が復活するというケースはそれほど多くないようです。
そこには、欧米の自動車メーカーではモデル名に記号を用いることが多いことや、ひとつのモデル名を現在まで用い続けていることが多いことなど、モデル名におけるそもそもの考え方の違いが関係しているのかもしれません。
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