京都~大津の第2ルート「山科大津バイパス」いつ実現? 渋滞ひどい国道1号に「早く概略ルート決めて」滋賀県も要望中 計画はどうなっているのか

京都府山科と滋賀県大津市をむすぶ新たなルートの構想があります。どんな道路で、どう便利になるのでしょうか。実現に向けて動きはありますが、今どこまで進んでいるのでしょうか。

念願の京都~大津の「第2ルート」

 京都市山科区と滋賀県大津市は、険しい山地で阻まれています。そこを抜けていく一般道の大動脈・国道1号は、逢坂山の峠周辺が急勾配かつ昔ながらの狭さで、朝夕を中心に慢性的な渋滞となっています。
 
 かといって、ほかに京都~大津南部をつなぐまともな抜け道はありません。名神・京滋バイパスをのぞけば結局国道1号を通行せざるを得ず、交通集中が長年の課題となっています。
 
 そこに、新たなトンネル主体のバイパス「大津山科バイパス」を整備する構想があります。どんな道路で、どこまで話が進んでいるのでしょうか。

京都と滋賀が新ルートで直結される!? (画像:Google Earth)。
京都と滋賀が新ルートで直結される!? (画像:Google Earth)。

 山科~大津の新ルート整備は、地元を中心に20年近くにわたって要望が続けられています。

 具体化にむけた動きが始まったのは、2018年3月の「重要物流道路」の候補路線に、「滋賀京都連絡道路」としてリストアップされたことです。

 さっそく4月には、近畿地方整備局の2018年度の計画として「交通円滑化や幹線道路の機能強化等に係る調査を実施します」という発表がありました。同時に「滋賀・京都間の新しい国道1号バイパス建設促進期成同盟会」が設立され、事業化に向けて、機運醸成や要望活動の拠点となっています。

 ルートはどうなるのでしょうか。滋賀県が公表したざっくりとした計画では、石山のあたりから「山手幹線」がまっすぐ西へ伸び、山地を抜けて新十条通に直結すると思われるネットワークが見てとれます。

 この山手幹線は、旧態依然とした2車線の国道1号に代わるバイパスとして、京滋バイパスの瀬田東料金所から名神に並行して、草津市内へ伸びている4車線道路です。

 山手幹線は草津市内で中途半端に途切れていますが、そのまま4車線道路で北東へ伸び、栗東水口バイパスへ直結する予定。完成すれば、京滋バイパスから土山・三重県方面へ、古い国道1号を丸ごとスルーできるようになります。

 この山手幹線が、さらに京都市内へつながれば、いよいよ京都・滋賀・三重の新たな大動脈となります。長年の交通課題の解決策として、滋賀県を中心に期待の高い道路構想です。

 ところで、それから話は進んだのでしょうか。近畿地整の計画では、毎年「調査を実施します」と同じ文章が書かれるのみで、2023年度で6年目。あまり進展しているようには見えません。

 道路計画が実現するには、まず「計画段階評価」で沿線アンケートなどを経て概略ルートを決定し、それを元に「都市計画決定」「環境アセスメント」の手続きを完了させ、それから晴れて事業化となります。

 この「計画段階評価」をおこなう話すら、まだ表には出てきていません。2023年9月の滋賀県議会でも「どうなっているのか」という質問がありましたが、県側は「概略ルートの検討を行う計画段階評価の一日も早い着手につきまして国に強く要望する」という答弁になっています。

 いっぽうで、同時に重要物流道路の候補路線に指定され、すでにこの「計画段階評価」が始まっている道路が近くにあります。滋賀・三重をまっすぐ南北に直結する「名神名阪連絡道路」の構想です。

 国としてはこちらのほうが優先順位が高いのかもしれません。もちろん、きたる新年度でいよいよ「計画段階評価を実施します」という意思表示が、近畿地方整備局から発表される可能性もあり、地元を中心に期待は高くなっています。

【画像】超便利!? 「山科大津バイパス」ルートと整備状況を見る(地図)(28枚)

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