なぜ私有地への「無断駐車」は移動できない? 警察でも「対処不能」!? 逆に「罰則対象」になるケースも! 可能な対応方法とは

なぜ自力で排除してはいけないの?

 自力で無断駐車のクルマを排除しては行けない理由として、現在の日本の法律では「自力救済」(司法手続きなどを経ずに自分の力で権利を回復させる行為)が原則禁止されていることが挙げられます。

迷惑極まりない「無断駐車」は絶対に許されない行為
迷惑極まりない「無断駐車」は絶対に許されない行為

 例えば、無断駐車のクルマをレッカーで別の場所に移動させるのはNG。

 法律上では、自力救済した側に原状回復(私有地に駐車された状態)の義務が発生したり、相手から損害賠償請求をされたりする可能性があります。

 また、クルマを無理に移動させたとして、器物損壊罪や窃盗罪に問われる可能性もあるといいます。

「では移動させなければ良いのか」と考えて“注意書き”などを貼り付ける行為も、器物損壊罪に当たる可能性がゼロではありません。

 つまり、私有地に無断で駐車されて憤る気持ちがあったとしても、強引な手段に出るのは避けた方がいいのです。

 非常に理不尽にも思えますし、泣き寝入りになってしまいますが、持ち主が戻るまで待つしかないのが現状。

 ただし、多少手間と時間はかかりますが、無断駐車したクルマのナンバーなどを控えた上で「無断駐車の対応」に詳しい弁護士に相談し、持ち主に対して損害賠償を請求することは可能です。

※ ※ ※

 このように、たとえ迷惑極まりない行為であったとしても、私有地の無断駐車を排除しようとすると現在の法律を鑑みた場合「無断駐車された側」が不利になってしまいます。

 警察でも対処できないため、あまりにも無断駐車が長期間に及ぶような悪質なケースでは、専門家に相談して解決するのがスムーズだといえるでしょう。

【画像】「えっ…!」 これが絶対に無断駐車できない「危険な駐車場」です(10枚)

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Writer: 大西トタン@dcp

(株)デジタル・コンテンツ・パブリッシング所属の編集者・ライター。幼少期に父親と一緒に灯油でエンジンのプラグを磨いたのをきっかけに車好きになる。学生時代はレーサーを目指しカートに挑むも挫折。現在は磨いた腕と知識を武器に自動車関係の記事をメインに執筆。趣味は週末に愛車フリードでのグルメ自販機巡り。

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