もはや見事な「丸パクリ」… ダイハツ「キャスト」の“完コピ車”落札! ほぼ新車なのにボロボロな「謎の中国車」 約57万円で米に出現
米国のオークションサイトで、日本国内でのみ販売されている軽自動車によく似たモデルが出品され、約57万円で落札されました。一体どのようなクルマなのでしょうか。
「キャスト」丸パクリの“中華製EV”出現
2024年3月6日、アメリカのカーオークションサイト「Cars & bids」で小型EV「カンディ K27 NEV」が落札されました。
国内で販売していた軽自動車のトヨタ「ピクシスジョイ」やダイハツ「キャスト」と酷似するモデルですが、一体どのようなクルマなのでしょうか。
Cars & bidsはアメリカのオークショニアで、主に1981年以降のクルマを対象にオークションが開催されています。
今回出品されたカンディ K27は、中国生産のコンパクトEVです。製造・販売は、中国で2013年4月に設立し四輪バギーやEVの部品を製造するカンディ(康迪)が手掛けています。
カンディ公式サイトによると、2017年11月に中国本土で認証を受けたと明かされており、その後2020年8月18日に発表されています。
最大4人が快適に乗れる空間を持つコンパクトカーだといい、新車時の価格は1万2999ドル(約196万円・米国内)という低価格を実現。
パワートレインは17.69kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、約60馬力の1モーターを組み合わせ、航続可能距離は160マイルを実現しました。
ボディサイズは全長3460mm×全幅1470mm×全高1615mm、ホイールベースは2455mmです。
エクステリアは、愛嬌のある丸型ヘッドライトやルーフの2トーン塗装、8角形のリフレクターを内蔵したテールランプなどを装備し、親しみやすさを感じさせます。
インテリアはインパネ加飾やエアコン吹出口周り、シートのステッチなどにレッドのアクセントを施し、インパネシフトと大型インフォテイメントディスプレイを装備するなど、スタイリッシュかつ使い勝手も良好に仕上げています。
エアコンパネルにはニコちゃんマークと「Hello!」の文字があしらわれ、かわいらしい意匠も取り入れられました。
実は、このK27とそっくりのクルマが存在します。
K27よりも5年以上前の2015年9月に、ダイハツが発売したキャスト(およびそのOEM車ピクシスジョイ)とは、エクステリアだけでなくインテリアは酷似しています。そのなかでも、特にインパネシフト周りやテールランプはほとんど同一です。
中国ではBYDをはじめ、現在では世界的にシェアを拡大したメーカーがいくつかあるものの、欧州や日本のブランドで展開されるモデルのデザインを、そのまま流用したようなクルマが今も多く残っています。
こうしたモデルは中国専売車として展開されることが多いのですが、K27のように一部は海外でも販売されているようです。
なお、今回出品されたK27は2021年式で走行距離は1000マイル(約1600km)ほど。年式や走行距離はかなり浅めですが、リアのドアハンドルが一部破損しているほか、ルーフの色褪せやエンブレムの欠損、運転席シートの劣化が見られるといい、状態は決して良いとは言えない状態です。
出品者によれば、米国内で登録する場合、最高速度が35マイルに制限されており、リミッター解除をしなければフリーウェイを走行できないほか、一部地域では登録自体ができないとしています。
さまざまなクルマを扱うCars & bidsでも、K27やカンディブランドのクルマは初出品だったようで、オークションのコメント欄は盛り上がりを見せています。
なかには「正直、フロントベンチシートの現行車なのが良い。可愛くて面白い小さな車だ!」と評価する人もいる一方で、「Noooooooo」「いや、それはちょっとヤバイよ」といった懐疑的なコメントもみられます。
オークションは104ドルでスタートしましたが、入札は12件ほどで終了。
レアなモデルでは多数入札され、高値のプライスをつける傾向にありますが、今回のK27は極めてレアなのにもかかわらず、価格も3800ドル(当日レートで約56.7万円)と低迷しました。
その一方で、こうしたマニアックなモデルを求める人には千載一遇の素晴らしい買い物になったのかもしれません。
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