スズキの新型「5ドアジムニー」日本導入早まる? 並行輸入が先行上陸! インドで人気低迷でスズキも動き出す?

東京オートサロン2024でとある並行輸入業者が日本で未発売のスズキ「ジムニー5ドア」を展示しました。また2月には別の業者が専用サイトを開設するなど、本家スズキよりも先に5ドアが日本で販売される見込みです。

インドでの人気はイマイチ?! ジムニー5ドアの並行輸入車はなぜ日本に入ってくる?

 2024年に入ってから、ジムニーファンの間で話題となっているのが、スズキ「ジムニー5ドア」の並行輸入車です。
 
 同年2月20日には日本のある会社が、ジムニー5ドアの並行輸入車を販売する専門サイトを開設しました。
 
 なぜこのタイミングでジムニー5ドアの並行輸入に関する動きが活発化しているのでしょうか。

なぜ? スズキ「ジムニー5ドア」の並行輸入の動きが活発化に
なぜ? スズキ「ジムニー5ドア」の並行輸入の動きが活発化に

 わずか数日で、多くの問い合わせが入っているようです。2024年4月には、日本でのナンバー登録も可能になる見通しで、他の並行輸入販売店でも一斉に売られるようです。

 一方で、日本でスズキが販売する「ジムニー(3ドア)」のデリバリーは相変わらずの状況で、MTこそ半年近くまで納期が短くなったものの、ATについては1年から1年以上待ち。

 2024年頭に行われた販売店向けの会合においても、スズキは「納期が正常化しない限りはジムニー5ドアの販売はできない」という説明を繰り返し行ったようです。

 そんな状況にも関わらず、なぜインドからはジムニー5ドアが並行輸入されるのでしょうか。

 たしかに、日本向けのジムニーは国内工場において生産されるため、その能力に限りがあります。

 一方、インドの現地会社であるマルチ・スズキ・インディアは、大規模な生産能力を有しています。

 インドは、米国、中国に続く世界第3位の自動車販売台数を誇っていますが、その中でもマルチ・スズキ・インディアはシェアの約50%を占めているメーカーです。

「バレノ(海外専用モデル)」や「ワゴンR」などが特に人気で、2024年1月だけでも17車種16万6802台(現地メディア統計)もの販売台数を記録するほどです。

 そのため、マルチスズキは生産拠点の強化を次々と進め、マネサール工場に加えてグルガオン工場を建設。

 さらに、2024年1月にはグジャラート州に新工場建設を発表しました。

 発表によれば、2030年までに約400万台の生産能力を有する計画で、これは現在の国内工場の約4倍の規模となります。

 これだけの生産能力があればとは思いますが、ジムニー5ドアはインドを筆頭に、オーストラリア、ニュージーランド、インドネシアにも輸出。

 さらにインド工場では海外市場用の「ジムニー(日本名ジムニーシエラ)」も生産しているため、いくら多くのクルマが造れる生産ラインがあるといっても、日本に出せるほどの余裕はあるのかという疑問が生じます。

 しかし、インド市場でのジムニー5ドアの印象は、日本とは異なっているようです。

 インドでは2023年1月に発表され、6月よりデリバリーが開始された同モデル。

 発売当初は、「インドでも納車1年待ち」といった情報が流れました。

 ですが現地メディアのまとめによると、2023年6月から8月までは、月販3000台を越える勢いでしたが、9月からは徐々に減少。2024年1月に至っては、なんと163台まで落ち込んでいるのです。

 あれだけインドで話題になったジムニー5ドアの苦戦の原因は、ライバル車の存在にあるようです。

 そのライバルは、マヒンドラ「タール」。

 タールはJeep「ラングラー」にデザインが酷似していることで話題になったクルマですが、元々はマヒンドラ社がウイリス社から「Jeep CJ3B」のライセンスを取得して生産したのが始まり。

 そのために、モデルチェンジ後も似てくるのは当たり前という出自を持っています。

 タールは3ドアモデルですが、ラングラーと遜色のないボディサイズで、その性能や居住性、そして品質感はジムニーよりも格上と言えます。

 しかも価格は、ジムニー5ドアが約231万円から272万円という現地価格に対して、タールは約203万円から311万円というプライス。

 3ドアと5ドアという違いはあるものの、インドのユーザーがどちらに惹かれるかということを考えれば自明の理とも言えます。

 実際、2023年6月から2024年1月までの両モデルの月平均販売台数を比較すると、ジムニーが2046台なのに対して、タールは5473台とダブルスコア以上の差があるのです。

 ある並行輸入車業者によれば、「インドでのジムニー需要はもう飽和状態になっている」と言います。

 つまり、インド向けで生産されているジムニー5ドアは余剰気味となっており、現地のディーラーも積極的に海外に向けて販売したいという思惑があるようなのです。

 一刻も早く欲しい日本と、1台でも多く売りたいインドの互いの思惑が並行輸入車という形で合致したわけです。

 最近漏れ伝わってきた話によると、スズキはジムニー5ドアの日本での認証を2月中に完了し、市場が想定しているよりも早く国内正規販売に踏み切るとも言われております。

 日本デビューは「2025年以降」というのがもっぱらの見方ですが、インド市場でのジムニーの販売状況を鑑みれば、スズキもこのまま手をこまねいているわけにはいかないかもしれません。

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スズキ ジムニー 純正
スズキ ジムニー 純正リラックスクッション_イメージ
スズキ ジムニー 純正リラックスクッション_単品
スズキ ジムニー 純正オプション装着イメージ
スズキ ジムニー 純正プライバシーシェード_フロント
スズキ ジムニー 純正プライバシーシェード_リヤ
スズキ ジムニー 荷室寸法
スズキ ジムニー 荷室寸法

Writer: 山崎友貴

自動車雑誌編集長を経て、フリーの編集者に転向。登山やクライミングなどアウトドアが専らの趣味で、アウトドア雑誌「フィールダー(笠倉出版社刊)」にて現在も連載中。昨今は車中泊にもハマっており、SUVとアウトドアの楽しさを広く伝えている。

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