全方位真っ白…突然の「ホワイトアウト」に遭遇!? “ドライバー”はどうしたらいいのか
冬の時期の運転中に気をつけたいのが雪道での「ホワイトアウト」です。では運転中に見舞われた場合、どのように対処したら良いのでしょうか。
突然の「ホワイトアウト」どうしたらいい!?
冬の時期の運転は、路面が凍りやすく滑りやすかったり、雪の影響で視界不良になったりと、ドライバーにとって厳しい条件がつきまといます。
なかでも雪道で起こることの多い「ホワイトアウト」は、数10m先の道路状況も確認できなくなるほか、前後左右、上下感覚を奪う恐ろしい現象のひとつです。
ではホワイトアウトに見舞われたらどのように対処すれば良いのでしょうか。
ホワイトアウトは、雪により視界が奪われ周辺や路面の状況が分からなくなってしまう現象を指します。
要因として、強風を伴う降雪や、積もっていた雪が強風で舞い上げられる地吹雪によるものとされています。
ホワイトアウトが発生すると、周囲が雪一色でほかには何も見えなくなってしまうことで、コンランスト差がなくなり、道路と景色の区別がつきにくくなります。「視程障害」とも呼ばれます。
過去2021年1月下旬には、ホワイトアウトにより宮城県大崎市の東北自動車道下りにて約140台のクルマが影響を受け1人が死亡、24人が重軽傷を負った痛ましい事故が発生しています。
事故当時の気温はマイナス3.6℃、積雪は10cm、最大瞬間風速は27.8mと、かなりの強風が観測されています。
当時、JAFの宮城支部担当者は事故の状況について、「事故の周辺は風で飛ばされるくらいサラサラとした軽い雪が田畑一面を覆っていました。場所や状況などが重なり、事故の原因のひとつとなるホワイトアウトが発生しました。直前までホワイトアウトの気配はなく、突然発生したと聞いています」と説明していました。
独立行政法人寒地土木研究所の資料によると、視程障害は大きく3つの路面で起こりやすいといい、「周囲の開けた平坦な地形の道路」はそのひとつです。
吹雪をさえぎる樹木や建物が少なく、周囲が開けた平坦地では、道路に吹き込んでくる飛雪が多くなりやすいので、視程障害や吹き溜まりが発生しやすくなります。なかでも、畑や水田、牧草地などが広がっている平地では広い雪原になり、風の強いときには注意が必要だといいます。
宮城県で起きたホワイトアウトは、まさに前述の路面の条件に当てはまるといえます。
このほか急な斜面が続く「峠区間や急峻地形の道路」や、傾斜のある土地を平らにするための「切土区間や盛土との境の区間」なども発生しやすいといいます。
JAF札幌支部の担当者は、ホワイトアウトに見舞われた際の対処法について、以下のように話します。
「まず、最寄りの商業施設の駐車場など、安全な場所にクルマを止め、天候の回復を待ちましょう。
近くに避難できる場所がなければ、周囲の安全を確認しながら道路の左側に停車。ハザードランプを点滅し、後続車に存在を知らせることも大切です」
このほか、ホワイトアウトが起きた際に気をつけたいことについて、前出の担当者は以下のように説明します。
「吹雪のなかで停車すると、ものの数分でクルマ全体が雪で覆われてしまうこともあります。
身動きが取れない状況になってしまった場合は、いつでも脱出できるよう、風下側のドアが開くかどうか定期的に確認してください。
また、マフラーの排気口が雪でふさがれると排気ガスが室内に流入し、一酸化炭素中毒の危険が高まります。一酸化炭素は無臭で気付きにくいため、非常に危険です。
排気ガスの逃げ道だけでも除雪し、ときどき風下側のウインドウを1cmほど開けて車内を換気することも必要です」
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今後突然の大雪が降り、ホワイトアウトに見舞われる可能性もないとは言い切れません。
上記の対処法を忘れずに、くれぐれも雪の日の運転には十分注意しましょう。
ホワイトアウト時は前が見えなくても路肩のガードレールがわかるなら徐行でも良いからハザードを点灯させて止まらない様に留意してる。
当然、前方の危険は防げる可能性が有るが追突は防げないのが何より恐い