西湘バイパスが熱海・修善寺へ延伸!? 夢の「伊豆湘南道路」どこまで進んだ? 海沿いルートの「渋滞地獄」解消へ熱視線
小田原から熱海・三島へつなぐ、新たな高規格道路「伊豆湘南道路」の計画が具体化に向けて進行中です。いったいどこまで進んだのでしょうか。
熱海へ高速道路で直結
神奈川県から静岡県に入る県境ルートは、新幹線などの鉄道路線と高速道路では違っています。
新幹線やJR東海道線は、小田原から熱海を経由して、三島、沼津に至るルートです。いっぽうで高速道路は、箱根エリアを北側へ迂回して、厚木から御殿場を経由して沼津に至ります。
鉄道が走る「小田原~熱海~三島」ルートには、まだ高規格道路は整備されていません。しかし観光需要や輸送ネットワークとして一般道は混雑が激しくなっています。
そのため具体化に向けて水面下で検討が進められているのが「伊豆湘南道路」です。
都心から熱海・伊東・下田方面へクルマで移動する場合、「小田原厚木道路」「西湘バイパス」で小田原市街西側まで行けるものの、そこからは国道135号の海岸ルートをひたすら走ることとなります。
海岸線の崖沿いを走る区間も多く、狭い2車線道路で、急カーブが連続します。観光シーズンは大渋滞となり、抜け道らしい抜け道もなく、帰宅ラッシュが重なるとなかなか家路に付くことができません。途中のバイパスは真鶴道路と、有料の「熱海ビーチライン」があるほか、箱根の山中などから遠回りする有料道路があるのみです。
小田原~熱海の所要時間は、通常41分のところ夏のシーズンは73分と、渋滞の深刻な影響を受ける区間であることが浮き彫りになっています。
また修善寺方面に行く場合、熱海・伊東側からは急勾配の峠越えが待ち受けています。快適に行くなら新東名・東名で沼津まで行き、伊豆縦貫道で南下する迂回ルートをとる必要があります。
もし「伊豆湘南道路」が完成すれば、都心方面から伊豆エリアが文字どおり直結することとなります。
さて、この話は現在どこまで進んでいるのでしょうか。まず、根幹となる構想は、国土交通省 関東地方整備局の「関東ブロック 新広域道路交通ビジョン・計画」に複数の赤丸による”ざっくりとしたルート”で明記されています。
それを具体化する動きが、沿線自治体で構成される「神奈川と静岡の県境をまたぐ道路(伊豆湘南道路)に関する協議会」です。2020年に始まり、第3回目の会議が2023年2月におこなわれています。
最終的に道路計画が着手にいたる「事業化」を迎えるまでは、一般的に以下のプロセスを経ることとなります。
●計画段階評価による概略ルート決定(地元アンケートなど実施)
●概略ルートによる「都市計画決定」「環境アセスメント」の手続き
協議会では、この最初の段階である「概略ルート」までに何をやるか、細かい段取りが既に決まっています。あとは、粛々とこの段取りを進める段階に来ています。
具体的に次の動きとしては、「技術的な課題」「配慮すべき事項」を洗い出していきます。そのあとは「概略ルート案」「おおまかなIC設置位置」「アンケート方法」を決め、いよいよ地元アンケートを実施して、その結果を踏まえて概略ルートをひとつに絞る、という順番になっていきます。
もちろん、これらの手続きをどんどん前に進めるためには、国が毎年の予算をどこに割り当てるかによっても左右されます。そのため地元機運を高めていくことが重要です。伊豆湘南道路の沿線でもさまざまな取り組みが行われており、最近も2月10日に「伊豆湘南道路シンポジウム」が開催されたばかりです。
ほぼ全体的に山あいをトンネルで抜けていくことが予想されるため、伊豆湘南道路の全通はかなり先になるかもしれません。しかし、その事業スタートは、近いところまで来ています。
いまだに年一回の評議会だと、絵に描いた餅ですね。
1960年代から着工して今の路線形態が2005年ですから、
生きてる間の完成は諦めて、東名、新東名使います。