車の「スプレーチェーン」ってナニ? 「チェーン規制」は走行できる? 手軽さが魅力も注意点も存在… メリットとデメリットは

クルマで積雪路や凍結路を走行する際、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンを装着しますが、スプレーチェーンという製品も市販されています。一体どのようなものなのでしょうか。また、チェーン規制の道路を走行することはできるのでしょうか。

「スプレーチェーン」って何? どんな効果がある?

 積雪路面や凍結路で、安全な走行に欠かせないアイテムがタイヤチェーンです。一方で、チェーンと名のつくものは実にさまざまな種類があり、なかには「スプレーチェーン」と呼ばれるものも販売されています。
 
 このスプレーチェーンとはどういった製品で、どのような効果が期待できるのでしょうか。またチェーン規制された道路でも使えるのでしょうか。

「スプレーチェーン」ってどんなもの?(画像はイメージです)
「スプレーチェーン」ってどんなもの?(画像はイメージです)

 クルマの冬装備としてスタッドレスの普及が進んでおり、また手軽に脱着できる布製タイヤチェーンも販売されています。

 その一方で、タイヤに巻きつけてグリップ力を発揮する従来の金属チェーンや、走行音の小さな樹脂製チェーンなどもあります。

 そして、最近にわかに注目されているのがスプレーチェーンです。

 その名の通りスプレー式になっており、粘着性の樹脂が含まれた特殊な液体をタイヤのトレッド(接地)面に直接噴きつけることで、タイヤのグリップ力を一時的にアップさせるカー用品です。

 あまり馴染みのない方も多いでしょうが、実は1960年代にはすでに使用されていたという話もあり、その製品の発想自体はかなり長い歴史を持っています。

 使用方法も簡単で、タイヤのトレッド面にスプレーを噴きつけるだけ。液体が付着すると表面が薄く白色化するので、見た目にも分かりやすいと言えます。人気や使用方法などを、都内のカー用品店スタッフO氏に聞いてみました。

「もちろん本格的な雪上走行には向きませんが、取り扱いのしやすさもあって夏タイヤで走行中に雪などが降りはじめた場合など、応急用として購入される方が多いです」

 製品の性格上、雪の降りはじめなど本格的に積もる前に使用するのがベターだそうですが、夏タイヤでは低速でも横すべりしてしまうような状態や、思わぬところでスタックしてしまった場合などにも応用できるのだそうです。

「タイヤ表面に特殊な液体を塗布することで滑り止めの効果が期待できます。

 スタッドレスタイヤを装着していたとしても滑りやすい場面などでは、スプレーチェーンを併用することでグリップ力をさらに確保することができます」(カー用品店スタッフO氏)

 また市販されているものには国産、輸入がありますが、はじめて購入するのであれば国産(日本製)を選ぶのがお勧めだと言います。

 国産の製品は日本の気象状況や使用環境を考慮して開発されていますし、説明書なども日本語で書かれているので、使い方なども確認しやすいメリットがあります。

 ただし強力なグリップ力を求めるなら、より高いグリップ力をうたう豪雪地帯がある生産国の輸入品を選ぶ価値はありそうです。

 ちなみに財団法人 日本自動車交通安全用品協会のテストによると、圧雪路での制動実験で時速30kmからの制動距離を計測したところ、スプレーチェーンを使用した場合は未使用のタイヤより約5m手前で停止できたとの結果が報告されています。

 過信は禁物ですが、クルマ1台分の余裕が生まれるというのは、いざという場面では大きなアドバンテージになりそうです。

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