えっ… 雪道で「スタック!」 どう対処する? ロードサービスは数時間待ち… 自力で脱出する方法は?
雪道でスタックしてしまった場合、自力で脱出できる用法はあるのでしょうか。
自力で脱出できる方法を試してみるのも吉
積雪量によっては、スタッドレスタイヤを装着したり、クルマにシャベルを積んでおくなど、万全の冬対策を講じていても、スタックして動けなくなってしまうことがあります。
しかし、大雪の日などでは救援のためのロードサービスも長時間待たされることがあります。自分でスタック状態から脱出するためには、どのような方法があるのでしょうか。
雪道で動けなくなってしまう原因はいくつかありますが、主なものとしてタイヤが雪によってうまくグリップせず、アクセルを踏んでもタイヤが空回りしてしまうことが挙げられます。
それ以外にも、駐車している間に雪が降り積もってクルマが埋まってしまったり、雪の塊の上に乗り上げてしまい動けなくなることがあります。
こうした状況で、周囲に助けを求められる状況であれば、後ろから誰かに押してもらったり、他のクルマに牽引してもらうことで脱出が可能です。
もし、周囲に誰もいない状況でスタックしてしまった時にはロードサービスに依頼することになりますが、例えば局地的な豪雪などによって、近隣で同じようなトラブルが多く発生している場合では、到着までに長時間待たされてしまうことがあります。
しかし、クルマ自体に故障や損傷などのトラブルが発生していないのであれば、複数の方法を試してみることで、ロードサービスの到着を待たずに自力で脱出することができるかもしれません。
周囲に誰もいない状況でスタック状態から抜け出すためには、次のような方法を試してみるといいでしょう。
ひとつは、ゆっくりと「ふりこ」のように小刻みに前進と後退を繰り返し、タイヤの前後の雪を踏み固めながら脱出する方法です。
特に、エンジンがフロント側にあり駆動輪も前輪であるFF車の場合、ハンドルをこまめに切ってタイヤの周囲の雪を踏み固めることで脱出できることがあります。
この時、スコップなどの道具があればタイヤ周辺の雪を取り除いたり、道具がない場合でもタイヤの周りの雪を足で踏み固めるのも有効です。
さらに、タイヤの下に滑り止めとなるチェーンや布などを敷いて、乗り上げるようにゆっくりと進むことで脱出する方法もあります。
このとき、脱出時に用いるものとして「ヘルパー」という樹脂製の板もありますが、こうした特別なアイテムがない場合でも、座席の足元に敷かれているフロアマットや毛布などをタイヤの前に敷いて使うことができます。
また、積雪の多い地域では滑り止め用の砂や砂利が道路脇に設置されていることもあるため、確認してみるといいでしょう。
ほかにも、タイヤの空気を抜いて空気圧を下げることで、タイヤの接地面積を増やしてゆっくり発進すると動けることがあります。
しかしこれは最終手段ともいえ、脱出後に空気圧を調整しなければ、タイヤがたわんでバースト(破裂)する危険性があります。脱出後はコンプレッサーなどを使用したり、ガソリンスタンドなどで空気圧の調整を頼むなど、適正空気圧に戻すことを忘れないようにしましょう。
なお、これらの作業に集中しすぎると周囲の安全確認が疎かになってしまう可能性もあるため、他のクルマや歩行者などが近づいていないかを確認しながら行うことが大切です。
これらの方法を試しても脱出できない場合や、脱輪してしまっている場合などは、無理をせずJAF(日本自動車連盟)やロードサービスに依頼して、自分や周囲の安全を確保して待機するようにしましょう。
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雪道でスタックしないためにも、スタッドレスタイヤの装着のほか、積雪の多い道路では早めにタイヤチェーンを装着することが大切です。
また、積雪が予想される時期にはスコップや滑り止めの砂、作業時に使う防寒具や軍手などをクルマに載せておくといいでしょう。
スタックするほどの雪中に行くなよ