トヨタ「ランドクルーザー」そっくり!? 謎の本格SUV「バンデランテ」登場! 角目二灯に「ベンツのエンジン」搭載した“激レア車”を実車公開
トヨタ博物館で2024年1月26日から開催されている特別企画「お蔵出し展」では、日本ではなかなか見ることの出来ない珍しい「本格SUV」が展示されています。
隠れた名車!トヨタ「バンデランテ」登場
トヨタ博物館(愛知県長久手市)は、2024年1月26日から6月30日にかけて特別企画「お蔵出し展」を開催しています。
同イベントは、普段は展示されないトヨタ博物館の希少な保管車両を「蔵出し」し公開するというもので、今回の展示車両には日本で極めて知名度の低い珍しいモデル「バンデランテ」も含まれています。
バンデランテは、ブラジルトヨタによって展開されていた本格SUVで、その外見は“ほぼ”トヨタ「FJ型ランドクルーザー」と言ってもよいデザイン。
同車は元々中南米で高い評価を得ていたFJ型ランドクルーザーをブラジルで現地生産すべく、1959年にブラジル・サンパウロ市内で組み立てが開始されたモデルが発祥となります。(当時の車名は、まだランドクルーザーとなっていました)
このとき組み立てられたモデル(後のバンデランテ)は、トヨタの“海外生産第1号”の称号を持ち、またバンデランテの本格的な車両工場として1962年から稼働の始まったブラジル・サンベルナルド工場は、トヨタ初の海外工場でもあります。
バンデランテは外見こそFJ型ランドクルーザーそっくりですが、エンジンにはブラジル・ベンツ社製のエンジンを搭載(1962年12月から供給開始されトヨタ製エンジンを廃止)。
これはブラジルの国産化率の引き上げを図るための処置で、同時に車名がバンデランテ(ポルトガル語で「開拓者」の意味)へと改められました。
さらにラインアップ充実をすべく、1963年にロングタイプが、1964年にはリアに荷台を備えたピックアップタイプが登場。バンデランテの生産台数は順調に増加を続け、1965年には累計生産5000台を達成します。
その後、FJ25型系からFJ40型系へのボディスタイルの変更や、出力の高いエンジンへの刷新など行い魅力を高めたバンデランテは、1989年に丸型だったヘッドランプを角型へと切り替え、フロントマスクをリフレッシュ。
1994年にはブラジル・ベンツ製だったエンジンをダイハツ製に変更し、1996年の排出ガス規制を乗り越えたものの、2000年の排ガス規制への対応は難しく、2001年11月にバンデランテ最後の1台が生産されたのをもってモデル廃止となりました。
このように商品力の強化を続けたバンデランテは、39年に渡り生産され続け、生産累計台数は1999年11月時点で10万台を達成しました。
さらに発祥から数えれば42年間もの歴史を持つ同車は、まさにトヨタの礎を築いた一台と言えるモデルなのです。
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トヨタ博物館では今回の「お蔵出し展」以外にも、「86 コンセプトカー展示」(2月14日-5月6日)や、「春だ!今こそオープンカー 走行披露会」(3月20日)など、貴重なクルマがお披露目される各種イベントが予定されています。
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