最近「タイヤの空気圧」チェックした? 空気不足でトラブル発生!? 逆に「空気多すぎ」もNGなワケ
タイヤは適正な空気圧でないと、トラブルが起こることがあります。一体どのような事態に陥る可能性があるのでしょうか。
なぜ定期的な空気圧チェックが必要?
タイヤは適正な空気圧でないと十分に性能が発揮できないだけでなく、場合によっては、トラブルの発生率が高まるとも言われています。
その危険回避のためにも空気圧チェックは定期的に行いたいところ。しかし、あまりチェックをしていないという人も多いかもしれません。
特に初心者や普段それほど運転しない人にそういった傾向があるという話も聞かれますが、なぜタイヤを適正な空気圧に保つ必要があるのでしょうか。神奈川県のH整備士に聞いてみました。
「タイヤはその構造上、自然に少しずつ空気が漏れるようになっています。そして空気圧が低下すると、タイヤが潰れたような状態になって内側と外側に余計な負荷がかかってしまいます。
これによって『転がり抵抗』が増して燃費が悪化するだけでなく、摩耗に偏りが発生してしまったり、タイヤのたわみが増えて操縦安定性が悪くなることなります。
さらに排水性能が低下し雨天時などはハイドロプレーニング現象が起きやすくなるリスクや、スタンディングウェーブ現象によってタイヤの一部に熱が集中しバーストしやすくなるリスクも高まります。
そのため、メーカーが指定する『適正空気圧』前後に保つために、定期的なチェックが欠かせないのです」
では空気圧が不足するとどのような症状が出るのでしょうか。
「まずはハンドルが重くなったように感じます。次にコーナーで微妙にヨレる感覚があったり、少しずつ燃費が悪化します。そうなったらまずは空気圧をチェックしてください」(H整備士)
空気圧が不足すると不具合が出るのは分かりました。では減ることを想定して多めに入れておくのはどうでしょうか。数ヶ月チェックしなくてもいいように、目一杯入れておけば、そのぶんチェック期間を長めにあけても良いのでしょうか。
「空気圧が高すぎるのも良くありません。空気が入り過ぎるとタイヤのゴムが張り詰めた状態となり、地面からの衝撃を吸収・緩和させにくくなるとともに、接地面(トレッド)の中央部分だけが減ってしまう偏摩耗になることもあります。
また、接地面積が少なくなるので制動距離も長くなるなど、高すぎる空気圧はタイヤの寿命を縮めてしまうことになりかねません。
もし空気圧を少し高めにしたいなら、適正空気圧の10%増し程度にとどめておきましょう」(H整備士)
適正空気圧とは、自動車メーカーが車種ごとに指定している「車両指定空気圧」のこと。たいていのクルマは運転席側のドア付近(ごく稀に給油口など)に貼り付けられた「空気圧表示シール」に記載されています。
では、タイヤの空気圧をチェックしたり、補充したりする作業はどこでできるのでしょうか。
一般的なのはガソリンスタンドやディーラー、カー用品、や整備工場など。「空気充填機」とう専用機器で行います。
この空気充填機には、「エアタンク式」と呼ばれる可動タイプと、据え置き型の「デジタル式」と呼ばれるものがあります。ただし基本操作は一緒です。
「手順自体はかんたんです。ホイールのリム部分に出ている『エアバルブ』のキャップを外し、空気充填機のホースをバルブに押し当てます。
押し当てると現在の空気圧(内圧)が表示されますので、予定している空気圧まで不足しているなら『+』ボタンで補充、空気を抜きたいなら『-』ボタンで調整します。
作業後はエアバルブのキャップを閉めるだけです」(H整備士)
なかには、車両指定空気圧をセットして空気充填機のホースをバルブに押し当てると、適切な空気圧に調整してくれる機械もあります。
操作自体はメカ音痴の人でも十分できそうですが、どうしてもわからなければスタッフなどに聞いてみると良いでしょう。一度覚えれば誰でもできる作業なので、次からはDIYでおこなうことができるはずです。
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タイヤの空気圧チェックは、手軽にできるだけについつい後回しにしがちですが、非常に重要なメンテナンスだといえます。
次の給油ついでに、空気圧も合わせてチェックすることをお勧めします。
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