まさかのホンダ「斬新・6輪軽トラ」出現! 「30年落ちキズモノ」なのに約330万円のプライスで登場! 存在感スゴすぎる「激レアマシン」が米で落札

米国のオークションサイトで、330万円超えの価格で取引された軽トラックとはどのような個体なのでしょうか。

まさかの激レア「6輪軽トラ」出現!

 2024年1月12日、アメリカのカーオークションサイト「Cars & bids」において、ホンダの軽トラック「アクティ」が2万3000ドル(当日レートで333万円)で落札されました。
 
 どのような個体なのでしょうか。

まさかのド迫力「6輪軽トラ」が米オークションに現る!(Photo:(c)Cars & bids/Seller:NAI)
まさかのド迫力「6輪軽トラ」が米オークションに現る!(Photo:(c)Cars & bids/Seller:NAI)

 Cars & bidsはアメリカのオークショニア。1981年以降のクルマを対象にオークションが開催されています。

 今回落札されたのは1994年式アクティで約10万6200キロを走行しているとされる個体です。

 アクティは1977年に登場した軽商用車・トラックで、MR(ミッドシップ)レイアウトやモノコックボディの採用など、他メーカーの軽トラックとは異なる特徴を持っています。

 しかし、通常のアクティとは大きく異なる特徴を持っており、4つの後輪を持つ「6輪仕様」となっています。

 アクティ2代目モデルのうち、1994年1月の改良で追加された「アクティ クローラ」は後輪を改造し、4輪または脱着可能な履帯(いわゆる「キャタピラ」)を選択できる特別モデルです。

 主に悪路の多い豪雪地帯や山岳地域での使用を想定したモデルで、受注生産で販売されていましたが、型式に「改」が付される改造車扱いとなっています。

 今回登場したアクティ クローラは2023年4月にアメリカに輸出された個体で、現在はニューハンプシャー州で登録されているといいます。

 エクステリアは30年経過している点を考慮するとかなりキレイな状態を維持しており、米国内の所有者によって一度ボディの再塗装とシートの張替えが実施されています。

 白濁化しやすい無塗装樹脂のミラーやフロントバンパーもブラック塗装されるなど、純正状態で美しく仕上げられています。

 荷台左右のアオリ部も、開閉などで擦れる部分を除いて傷やサビは少なく、荷台内側は保護のために梨地塗装が施されている点などから、丁寧に扱われていたことが伺えます。

 ホイールは14インチを装備していますが、標準装備のものとは異なるサイズ・デザインであることから、別のホンダ車のものが流用装着されているようです。

 インテリアは運転席と助手席のドアパネルが紫外線による影響などで、著しく白化が進んでしまっていますが、割れのないダッシュボードや黒々としたゴム製フロアマットなどは30年経過した軽トラックとしては綺麗な状態です。

 インパネ周りはシンプルで、130km/hのメーターと2本スポークのシンプルなステアリングを装備。ダイヤル選択式の純正AMラジオや、フロントガラスに残された車検ステッカーなどは現地のマニアにはたまらない逸品といえます。

 荷台下部のエンジンルーム内は年式なりの汚れ方といえますが、米国内の前所有者によってタイミングベルトやウォーターポンプ、ヘッドカバーガスケット、クランクシャフトシール、ドライブシャフトブーツの交換などがなされ、かなり整備されているようです。

 なお、出品写真には取扱説明書や整備手帳が写っており、日本語のままの書類が貴重なものとして受け入れられているようです。

 入札は5000ドルでスタートし、40件もの激しい入札合戦を繰り広げた後、2万3000ドルで落札。

 日本固有の希少な軽トラックであることに加え、希少な「アクティ クローラ」である点、仕上げられて綺麗な状態になっていることなどが評価されたのか、日本円で300万円を超えるプライスで取り引きされ、次のオーナーへと引き継がれていきます。

※ ※ ※

 北米では「25年ルール」という決まりがあり、通常走行ができない右ハンドル車であっても製造から25年が経過すればクラシックカーとして登録でき、公道が走行可能になります。

 近年は映画やマンガ、アニメなどの影響から日本車の人気が高まっており、その影響を受けて1980年代から90年代のスポーツカーが輸出され、高値で取り引きされています。

 一方で、北米では軽トラの人気が近年著しく高まっており、現地では全長5mを超える大型乗用車が少なくないなかで、4mを切るコンパクトなことや、愛らしい見た目で壊れない点、しかも燃費もよく、荷物もたくさん積むことができるなどが評価され、「JDM kei truck」として親しまれています。

 北米では軽トラ専門店も存在しているようで、25年経過した中古の軽トラは今後ますます需要が高まるかもしれません。

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