ド迫力な新型「レーシングプリウス」実車公開! 存在感スゴい見た目は何が変わった? 速くて楽しい「ハイブリッド車」とは
レーシングプリウスは何が変わっているのか?
エクステリアはフロントにリップスポイラー追加(水素GRカローラやGR86に近いでサイン)に加えて、バンパーサイドにはカナードが追加されています。
それもアドオンではなくレクサスLCの限定車「EDGE」で採用された世界初の樹脂成型技術を用いた一体成型。レーシングカーならアドオンでもいいはずですが、そこにこだわったのは将来の商品展開に期待が高まる部分の1つでしょう。
サイドはノーマル(195/50R19)よりも幅広タイヤ(245/625-17)を装着する関係から、フェンダーアーチも専用品(カーボン製)に変更されています。
リアは巨大なリアウイング(カーボン製)に加えて、リアウィンドウはガラス→アクリル(熱を逃がすためのダクト付)に変更されています。
リアバンパーは下部が大きく切り取られ、左側にスポーツマフラー(藤壺製)、右側にはモーター冷却用オイルクーラーなどが見えます。
インテリアはレースに不必要なアイテムは取り外され、ロールケージやバケットシート、安全タンクなどレース用のアイテムがプラスされています。
インパネ上部のインフォテイメント&空調レジスター部にはスイッチパネルを移設、メーターは専用品をより低く、よりドライバーに近い位置に装着(シートポジションを下げているのでノーマルメーターだと見えない)。
かなりレーシーなイメージですが、シフトセレクターはノーマルのままと言うのが面白い所です。ちなみに助手席にはクーラーボックスが設置されていますが、これも冷却用(モーター/PCU)でしょう。
パワートレインは変わっていないようで大きく変わっています。2リッターエンジン+モーターのTHSII(シリーズパラレル式ハイブリッド)と言う基本構造は変更ありません。
しかし、エンジンはアトキンソンサイクル(M20A-FXS)からオットーサイクル(M20A-FKS)、モーターを含むトランスアクスルは1サイズ大きいカムリ用に変更されています。
更にバッテリーもノーマル以上PHEV未満の容量に変更されています(容量は不明)。もちろん燃料はカーボンニュートラル・フューエルを用います。
大矢氏は「我々が持つシステムの中で『何が使えるか?』を調べ、今できる事を全て盛り込んでいます。搭載にあたり細かい加工・修正はしていますが、基本的にはアドオンです。これはTNGAの『技術のモジュール化』が大きく貢献しています。従来のクルマづくりだと切った張ったの大手術が必要となり、この短期間での開発は不可能だったと思います」と教えてくれました。
制御系は「全開走行時でも電池枯渇を防ぐ」、「モーター版アンチラグシステム(コーナー立ち上がりでの加速力を向上)」、「レース環境用の充放電技術」、「より効率よく回生」などの専用制御を用いますが、これらはWECで培ったノウハウが水平展開されています。
WECは「ハイブリッド技術を鍛える」を目的に参戦を続けていますが、このプリウスにはかなり色濃くフィードバックされているわけです。
これらの変更により、ノーマル(国内仕様)に対して25%以上の出力アップを実現。単純計算すると196ps→245ps以上になります。
シャシ系はレース用のサスペンション(バネ/ダンパー/スタビライザー)やブレーキ(エンドレス製)に変更されていますが、車体はロールケージ以外はノーマルのままだと言います。
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