「4WDだから雪道に強い」は本当? 過信は禁物なワケ… 雪道運転での大切なコト
巷では「4WDだから雪道に強い」という話を聞きますが、本当なのでしょうか。実は過信するのは危険なようです。
4WDは雪道最強ではない…そのワケは?
冬と言えば、スノードライブの季節。降雪地帯に出かけると、様々な積雪・凍結路面に遭遇します。
ひと昔前に比べるとスタッドレスタイヤの性能が飛躍的に進化したことから、そういった多様な雪道の路面でも安全に走れるようになりました。
さらに、4WD+スタッドレスの組み合わせは最強というイメージが定着しています。果たして、本当なのでしょうか。

4WDとは「四輪駆動」の意味である“Four Wheel Drive”の略称であり、「AWD」や「4×4」も同意語です。
その名の通り、四輪にエンジンの力(駆動力)を伝える駆動方式。ひと言で4WDとは言いますが、そのシステムは実に多様です。
2WD(FR)と4WDの切り替えが任意でできる「パートタイム4WD」は、トヨタ「ランドクルーザー70」やスズキ「ジムニー」に採用されています。
半世紀以上前からあるシステムで、燃費の抑制と舗装路で走りやすさを考慮して考案されました。
一方、現代の4WD車においてスタンダードになっているのが「フルタイム4WD」です。
前輪と後輪の間に差動装置(センターデフ)を持っており、乾燥路面のコーナー、曲がり角を走る時に“タイトコーナーブレーキング現象”が起こらないのが、パートタイム4WDとの違い。
フルタイムと言っているものの、常に四輪に駆動力が伝わっているシステムばかりではなく、多くの場合は通常はFFで走り、前輪が滑り出すと後輪に駆動力を配分します。
この駆動力配分を受動的に行うシステムが「パッシブアクティブトルクスプリット(もしくはスタンバイ4WD)」、電子制御を使って能動的に行うのが「アクティブトルクスプリット」となります。
軽自動車やコンパクトカーなどはパッシブトルクスプリットのシステムを使っていることが多く、実質はFF車とそれほど変わりません。
しかし、昨今ではパートタイム、フルタイムに限らず「ESC(電子制御スタビリティコントロール)」の装備が全モデルに義務づけられているため、雪道のコーナリングにおいては、スリップする危険性が大幅に下がったと言えます。
これは旧態依然なシステムと言われてきたパートタイム4WDにも言えることです。
また、アクティブトルクスプリット式4WDの場合は、車両のヨー状態、タイヤの空転状態などをセンサーで細かく検知し、瞬間的に各輪への駆動力配分を変化させるため、走破力や安全性がさらに高まります。
特に現在のクルマは、電子スロットルがスタンダードなので、車両がスリップする危険性をいち早く察知した場合、ドライバーの操作状態を越えて安全側に車両を制御するようになっています。
こうしたことを考えれば、4WDはそもそもの性能をさらに進化させていることは間違いありません。
つまり、雪道を安全に走れるという点では、4WDは2WDに勝っていると間違いなく言えます。
しかし、クルマは雪道を駆動システムだけで走っているわけではないのです。

























