レクサス新型「小さな高級車」登場! 全長4.2m級ボディの豪華内装が凄い?! 「クラス超え」走りは?
高級車の概念を変えるサイズのヒエラルキーを超えた次世代レクサスのモデルとなる新型「LBX」。スペインで行われた国際試乗会での印象はどうだったのでしょうか。
スペインで新型「LBX」を試乗、どう?
現在、レクサスが特に注力しているのは「電動化」、「知能化」、そして「多様化」の3つの柱になります。
その中で多様化はライフスタイルの変化により、これまでの常識とは異なるニーズが存在しています。
しかし、多くのプレミアムブランドは電動化/知能化に注力するが故にブレイクスルーできてないのも事実です。
これまでレクサスは何度か高級車の概念を変える挑戦を行なってきましたが、今回再び挑むのが、新時代のレクサス「LBX」になります。
今回はスペイン・バレンシアで開催された国際試乗会に参加してきました。
筆者は9月に日本で開催された「レクサスショーケース2023」で味見レベルの試乗をしていますが、今回はリアルワールドです。
市街地から高速道路、ワインディングまで存分に走ってきました。
LBXのミッションは、これまで世界の自動車メーカーが幾度となく挑戦するも成功することができなかった「小さな高級車」への挑戦でした。
そのキッカケはレクサスのブランドホルダーである豊田章男氏のこの一言でした。
「本物を知る人が素の自分に戻れ、気負いなく乗れる一台。つまり、週末にTシャツとスニーカーで乗れる高級車がつくりたい」
古くから「高級車=権威の象徴」と言う期待値が高いが故に、そのニーズをコンパクトモデルで実現させるには大きな壁がありました。
豊田氏は昔から「サイズによるヒエラルキーを壊したい」と言う強い想いを持っており、それをレクサスブランドでも具体化させた……と言うわけです。ただ、それが故に開発中は相当厳しい評価もしたそうです。
チーフエンジニアの遠藤邦彦氏は、当時の事を今でも鮮明に覚えているそうです。
「企画当初は色々な制約を考えると『既存のコンポーネントの中でやり切ろう』と言う考えでした。
試作車を仕立て会長に見せると、悲しそうな表情で『これしかできないなら、いらない』と一言。
衝撃的でした。
その後、佐藤プレジデント(当時)に相談に行くと、『茨の道かもしれないけど、行こう』と背中を押してくれたので、『思い切ってやりたい事をやる!!』と決心しました」
恐らく、開発メンバーの多くは「与えられた素材で全力を尽くす」は染みついていますが、豊田氏は「それではブレイクスルーはできない」、「限界を決めずに挑戦してほしい」と言う想いがあったからこそ、厳しい事を言ったのでしょう。
今回試乗したモデルは「Cool」のFFです。
ステアリング位置以外は日本仕様とほぼ同スペックですが、唯一の違いは全高。
日本仕様はタワーパーキング対応のためシャークフィンアンテナレス仕様となっており、欧州向けに対して-20mmの1540mmです。
エクステリアは全体的にコロッとした雰囲気ですが、オーバーハングが比較的短めかつ、タイヤを四隅に配置したプロポーション(他のGA-Bモデルよりホイールベースが20mm長い)と全幅1820mmを活かしたドシッと踏ん張りのあるスタンスの良さなどから、コンパクトサイズながらも堂々としたスタイルです。ちなみにモチーフは日本の伝統「鏡餅」と聞いて納得。
ボディカラーはモノトーン/バイトーン共に豊富に用意されていますが、新世代レクサスを象徴する「ソニックカッパー」は、シーンよってカジュアルでもフォーマルにも化ける雰囲気で、LBXの世界観に最も合っているように感じました。
インテリアはステアリングからメーター、HUDへと繋がる「TAZUNAコクピット」の概念は上級モデルと共通ですが、LBX専用の水平基調のクリーンなインパネとコンソールに溶け込むモニターが特徴です。
個人的にはタッチスイッチ/物理スイッチのバランスは、新世代レクサスの最も整っている操作系かなと。
装備関係はフル液晶メーターやイルミネーション、マークレビンソンプレミアムサウンドシステムやeラッチなど上級モデルと変わらないアイテムを満載しますが、その一方で電動シートが運転席のみ(助手席は手動式)、シート空調はヒーターのみで(ベンチレーター未設定)、ステアリング調整が手動式なのはちょっとガッカリな部分です。
この辺りを開発メンバーに聞いてみた所「車両重量を抑えたかったのもありますが、色々な調査で『それほど需要がない』と言う判断による物でしたが、発表後にSNSを中心に話題に上がっているのは認識しています。すぐに対応は難しいですが、今後に必ず活かします」との事でした。
ステッチや素材の使い方は、兄貴分のモデル以上のこだわりを持っていますが、それが故にドア下部のハードプラスチックのシボや質感の低さが気になってしまい。
この辺りはイタチごっこなのも解っていますが、全体の調和やバランスを見ていくと、もう少し頑張るべきポイントだと思っています。
運転席に座ると、クロスオーバーと言うより目線が高いハッチバックに近い着座感です。
ちなみにシートポジションは他のGA-Bモデルよりも20mm低く設定、それに合わせてステアリング/ペダルの位置関係もアジャストされています。このクラスでは珍しいオルガンペダルも嬉しいポイントです。
リアにも座ってみます。ホイールベースは他のGA-Bモデルより20mm長い2580mmですが、同クラスのモデルと比べて格段に広くはありませんが、LBXのキャラクター(=フロントシート優先)を考えればそれほどネガにはならないかなと。
ラゲッジは奥行きともかく見た目よりは積めそうな印象。日本人が気になるゴルフバックは長尺ドライバーでなければ搭載可能のようです。
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